換気システムって意味あるの!?|RaspberryPiを使ってCO2濃度を測定してみた

CO2-concentration Raspberry Pi
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今回は、トヨタホームの第一種換気システムがちゃんと換気できているのか気になり、部屋のCO2濃度を測定してみたので紹介させて頂きます。

最近コロナの影響で在宅勤務が増え、1日書斎で過ごすことが多くなりました。ある日、いつも通り書斎で仕事をしていたとき、妻が部屋に入ってきて「この部屋、空気こもってるよ。窓開けて換気した方が良いんじゃない?」って言われました。

確かに部屋の外から入ってくると、なんとなくこもってる感じがします。でも今時の家は、24時間換気設備の設置が義務付けられていて、2時間で部屋の中の空気が全て入れ替わります。我が家も「ピュア24セントラル」というトヨタホームの第一種換気設備を導入しているのに、空気がこもるっておかしくない!?と疑問に思いました。

そこで、いま流行のCO2濃度を測定することで、部屋の中の空気が実際どれくらい換気できているのか調べてみたので紹介させて頂きます。

また屋内のCO2濃度を測定していて気付いたトヨタホーム第一種換気設備の欠点なんかも紹介していきます。

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RaspberryPiを使ったCO2濃度測定

今回もCO2濃度測定結果を紹介する前に、RaspberryPiを使ってどうやってCO2濃度を測定しているか紹介していきます。「ラズパイの話は興味ないです。CO2濃度の件だけ教えて下さい」って方は、この項目は読み飛ばして次の項目から読み進めて下さい。

前回、RaspberryPiを使って室内の温度を測定してみた記事を書きましたが、実はRaspberryPiを購入しようと思ったきっかけは、先ほどの妻の言葉でCO2濃度を測定してみたいと思ったからでした。

前回のRaspberryPiで室内温度測定した記事はこちらのリンクになるので、まだ読んでない方は、是非こちらの記事も読んでみて下さい。

いま流行のCO2濃度測定ですが、計測器が結構高価です。安い物でも4,000円くら、データを記録できるちゃんとした計測器だと1万円以上します。僕の中では、ちょっと気になるからでポチッとできる金額では無いなぁと悩んでいたところ、CO2を測定するセンサだけであれば、2,000円くらいで購入できる物を見つけました。さらにRaspberryPiを使えば、このセンサからデータを収集できることが分かりRaspberryPiとCO2センサを組み合わせて計測することにしました。

RaspberryPiのスタータキットが1万円くらいしたので、金額的にはCO2計測器を買うのとあまり変わりませんが、RaspberryPiはCO2測定以外にも色々なことに使えるし、前々から気になっていたこともあり、この組み合わせだと躊躇なくポチッと購入しちゃいました。

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こちらが、今回購入したCO2センサ「MH-Z14A」です。Amazonで3,850円でした。他にもう少し安いセンサもあったのですが、このセンサをRaspberryPiで制御するプログラムがネットにたくさん落ちていたので、このセンサを選びました。

測定範囲は0~10,000ppm、精度は0~5,000ppmの範囲が±50ppm、5,000~10,000ppmの範囲が±10%のセンサになります。

詳しい原理は難しくて、よく分からないですが、二酸化炭素が赤外線を吸収する原理を利用して濃度を計測しているとか。恐らく金色の円柱の片側から赤外線LEDみたいなので光を発生させて、反対側に届いた赤外線の量でCO2濃度を測定しているんじゃないかと思います。

そしてこのセンサは、アナログ信号、PWM信号、UART通信と複数の方法でCO2濃度を出力できるようになっているので、RaspberryPiだけでなくマイコンなんかと接続して使うこともできそうです。その中で今回はUART通信を使ってRaspberryPiでデータをモニタしてみます。

また今回は、ちょっとだけ電子工作が必要になります。先ほどのセンサの写真で基板手前側にたくさん穴があいている部分がありますが、ここにRaspberryPiと通信する配線を接続する必要があります。前回の温度センサは、最初からピンが出ていたので線を挿すだけでしたが、今回のセンサはピンがついていないので、この穴にピンを取り付ける作業が必要になります。

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センサとピンは、はんだで接合します。写真の真ん中にある丸いドーナツに巻かれているのがはんだです。錫を主成分とした金属で右側の「はんだごて」と呼ばれる先端が350℃くらいになるコテで、はんだを溶かしてセンサとピンの間に流し込み冷やして固めます。

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実際の作業はこんな感じです。周りの部品も全てはんだで付いているので、はんだごてが他の部品に触れてしまうと、その部品が取れて動作しなくなるので、はんだ付けは慎重に実施する必要があります。

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そして先ほど準備したピンを使ってRaspberryPiと接続します。前回、使用した温度センサもそのままにして、温度,湿度,CO2濃度をまとめて計測したいと思います。

今回もプログラムはPythonで書いていきますが、相変わらずPythonのプログラミングが理解できていないので、ネットに落ちているプログラムを流用して作りました。

前回と違い一般的な通信規格のUARTを使ってセンサからデータを収集しますが、初期状態ではGPIO端子でUART通信が使えないようなので、プログラムを作る前に、RaspberryPiの設定変更が必要になります。これも親切に解説してくれているサイトがあるので、正直なにをやっているか分からないですが書いてある通りに進めれば使えるようになりました。

設定を変更しプログラムをコピペして計測スタート!と行きたかったのですが、今回はプログラムのERRORが出てしまいました。エラー内容の解説が英語で出ているのですが何言ってるかさっぱり分かりません。。。英語が苦手なのもありますが、訳しても何言ってるのかちんぷんかんぷんです。自分で作ったプログラムじゃないので、内容を理解するところから始める必要があり今回は苦戦するなぁと思っていましたが、ふと、ネットにたくさんプログラム落ちてるから、他のプログラムをコピペしたらもしかしたらうまくいくかもと考え、別のサイトのプログラムで動作させてみたところビンゴ!! 820ppmってそれっぽい測定値が出ました。

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ここまできたらあとは、前回作った温度と湿度を測定しテキストファイルに記録するプログラムと合体させて、温度・湿度・CO2濃度を30秒毎に測定して記録していくプログラムの完成です。
実際、自分でプログラムを書いたのは、上の写真でメインループの15行くらいだけで、インポートしているセンサーモジュールは全部コピペです。RaspberryPiとPythonはネットで簡単に情報が入手できるのも良いところです。

CO2測定とは直接関係ないですが、RaspberryPiを使い初めて気付いたプチ情報を紹介します。
前回の記事でRaspberryPiは小さいパソコンと紹介しましたが、パソコンゆえに厄介なこともあります。パソコンって当たり前ですがモニタとキーボードとマウスが無いと使い物にならないですよね!?RaspberryPiも一緒でモニタやマウスが無いとプログラムをスタートすることができません。

書斎で使う場合は、モニタもキーボードもマウスもあるので何も問題ないのですが、リビングの測定をしようとした場合にモニタが無くてプログラムをスタートできないので、リビングのテレビとHDMIで繋いで使用していたのですが、実はRaspberryPiをリモートするVNCと言う便利なツールがあることに気付きました。

Windowsのリモートデスクトップと同じで別のパソコン(WindowsやMac)から遠隔操作することができるので、RaspberryPi本体だけリビングに置いて電源をONにしておけば、あとは書斎のパソコンなどからリモート接続してプログラムをスタートさせることができるのでとても便利です。

換気の方法とCO2濃度の関係

CO2濃度の測定結果を紹介する前に、そもそもCO2濃度がどのくらいの数値だったら問題ないのか目安を紹介しておきます。

まずCO2濃度の単位はppmで表されます。ppmは「 Parts per Million」の略で100万分の1になります。パーセント(%)が100分の1なので、1ppm=0.0001%になります。

屋外のCO2濃度は、気象庁のデータベースで統計を見ることができ、現在は400ppmです。1990年は360ppmくらいだったので、年々CO2濃度が増えてきているようです。

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屋内のCO2濃度については、上の図のように、ビル衛星管理法では1,000ppm以下、学校環境衛生基準では1,500ppm以下と規定されています。

これを見るとお家の中も800~1,000ppmくらであれば問題なさそうです。

それでは、書斎のCO2濃度を測定した結果を紹介していきます。

今回、第一種換気設備の風量設定が弱の場合(風量:56m³/h)と強の場合(風量:97m³/h)と換気設備の設定を弱+書斎の窓1箇所を解放した状態の3パターンで測定してみました。

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測定場所は、こんな感じで僕が仕事をしているデスクの上にCO2センサを設置して測定しています。
だいたい8:30~18:00の間、デスクで仕事をしていて、12:00~13:00は昼休みで、16:00~16:30は子供の保育園へのお迎えで席を外しています。

まずは、換気設備の風量を弱に設定した場合の測定結果です。

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意外にもCO2濃度は800ppm前後で安定していて、目安の1,000ppm以下になっていました。

続いて、換気設備の風量を強に設定した場合の測定結果です。

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風量を強にするとCO2濃度は600ppmまで低下しているので、風量設定と実際に換気されている空気の量には相関がありそうです。

次は、換気設備の風量を弱に設定して書斎の窓を1箇所開放した場合の測定結果です。
解放している窓は、パソコンの後ろにある窓なので、CO2センサに近い位置の窓になります。

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午前中、窓を開けっぱなしにして測定をしてみたのですが、寒さに耐えきれず午後からは窓を閉めています。測定結果のデータを見ると1箇所窓を開けている状態だとCO2濃度は600ppmくらいに落ち着くようで、換気設備の風量を強に設定している時と同等のCO2濃度でした。
室内の温度については、測定した日の外気温がそれぞれ違うので、換気方法の違いによる室内温度への影響は分かりにくいですが、体感としては窓を開けているのは、かなり寒く感じました。室内温度だけを見ると、そんなに変わらないのですが恐らく窓を開けると空気が流れるので、それが体感的に寒く感じるのだと思います。

午後から窓を閉めるとCO2濃度は800ppm程度になり、換気設備の風量を弱に設定した場合の結果と同じ値で再現性のある結果となりました。

また15:30から15分間、書斎にある3箇所の窓を全て解放して換気をしてみたところ、急激にCO2濃度は低下し15分で200ppm以上下がりました。換気設備の風量設定強でCO2濃度が800ppmから600ppmに下がるのに2時間程度かかっていることを考えると、窓を開放しての換気は室内の空気を入れ換えるのに非常に効果的であることが分かります。

次の測定データは、休日に書斎のCO2濃度を測定した結果で換気設備の風量は弱に設定しています。

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誰も書斎に入ってない状態で測定しているので、最終的に外気のCO2濃度と同じ400ppmに落ち着きます。ただ、このデータを見ると400ppmに落ち着くまでに5時間くらいかかっていることから、トヨタホームの換気設備は2時間で室内の空気が全て入れ替えることは実現できていないようです。

まぁ義務化されているのは、0.5回/hの換気量を持つ設備を設置することで、実際に室内の空気が入れ替わることは問われていないので、現実はこんなものなのかもしれません。

寝室のCO2濃度がやばい

先ほど紹介した書斎のCO2濃度測定結果を見て頂いて、朝のCO2濃度が異常に高いことが気になった方もいると思います。僕も初めて測定したとき、センサの特性で電源を入れた初期は正しくCO2濃度を測定できないのかと思っていましたが、そんなことはなく、本当に朝はCO2濃度が高くなっているようです。

我が家の書斎は、寝室と壁や扉がなくつながっています。その書斎とつながっている寝室で、家族の寝ている間の呼吸によって排出されるCO2で夜中のCO2濃度が非常に高くなっていることが分かりました。
人間が1日に呼吸する空気の量は8.6m³、また吐く息の中の二酸化炭素の濃度は4%と言われているので、1時間あたりに人が排出する二酸化炭素の量は、8.6m³×4%÷24h=0.0143m³となります。
トヨタホーム第一種換気設備は設定が弱の場合、風量が56m³/hで吸気口が4箇所あるので1箇所あたり14m³/hとなります。
寝室で大人2人,子供2人で寝ている時の二酸化炭素排出量が大人3人分と仮定すると、1時間に発生する二酸化炭素が0.0143m³×3=0.043m³、換気設備により入ってくる新鮮な空気が14m³となるので、寝室の二酸化炭素の濃度は0.043m³÷14m³=3071ppmになります。
就寝中なので、活動中と比べて人間が排出する二酸化炭素の量は少なくなると思われますが、それでも高い濃度になることが予想されます。

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このデータは換気設備の設定を弱にした場合の寝室のCO2濃度です。深夜2時頃に1,900ppmに達し、その後は朝まで1,900ppm程度を維持しています。先ほど机上計算で出したCO2の濃度が約3000ppmだったので、計算よりは低いですがかなり高い数値です。

先ほど紹介したCO2濃度の目安でいくと、眠気が起きるレベルのCO2濃度です。寝ている時間帯なので眠気が起きても問題ないのですが、健康的に問題ないのかちょっと不安になります。

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このデータは換気設備の設定を強にした場合の寝室のCO2濃度です。設定を強にすれば、CO2濃度は1,200ppmまで下がり学校環境衛生基準の1,500ppmを下回っているのでこのくらいなら問題なさそうです。ただ換気量が増えたことで朝の室内温度は1℃低下しています。

24時間換気の目的はCO2の排出だけではなく、カビやダニ、ホコリなどアレルギーの元になる汚染物質を取り除くこともあるので、家中まんべんなく換気する必要がありますが、CO2を排出する観点からは、人がいるところを狙って換気をする方が効率的です。

換気量を増やせば、家の中の汚染物質やCO2は排出されやすくなりますが、その分、熱も逃げてしまい冷暖房費が高くなってしまいます。省エネと健康を両立する為に、必要な場所、必要な時間に必要な換気を確保できれば良いのですが、今のところ時間帯にあわせて、それぞれの場所の換気量を可変する設備はありません。少なくとも我が家の結果を見ると寝室の換気量は他の部屋より多くなるように設計した方が良いように思います。

ちなみに我が家のリビングは換気量が多くなるよう吸気ダクトが2本設置されていますが、2階は子供部屋,階段ホール,寝室それぞれ1つづつ吸気ダクトが設置されていてどの部屋も均等に換気されています。今回のCO2濃度測定の結果を見て、あらためて換気設備について検討するなら、階段ホールの吸気ダクトは廃止して、その分、寝室に吸気ダクトを2箇所設置した方が良いような気がします。

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また、トヨタホームは換気設備の設定を冬場は弱に設定することを推奨していますが、我が家のように家族が1つの部屋に集まって寝るような場合は、冬でも換気設備の設定は強にしておいた方が良いかもしれません。

まとめ

今回はRaspberryPiを使って屋内のCO2濃度の測定した結果を紹介させて頂きました。

24時間換気システムが稼働していることで、いちよう室内の空気の入れ換えはできているようですが、CO2の観点からは、寝室の換気量が足りていない感じがします。

今は家族4人が一緒に寝室で寝ているので特にCO2濃度が高くなっていますが、そのうち子供たちが自分の部屋で寝るようになれば、換気設備の設計と実際に住んでいる人のバランスがとれて丁度イイ感じになる気もします。

ただ現時点、かなりCO2濃度の高い寝室で寝ていることのに気付いてしまったので、改善策を考えたいと思います。と言うことで次回は寝室のCO2濃度低減と温度環境の両立を試行錯誤してみた内容を紹介させて頂きます。

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