室内のCO2濃度低減にスマートエアーズが有効!?|換気と循環で屋内の空気を均一に

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今回は寝室のCO2濃度を低減するアイデアを考えてみた内容になります。

前回の記事で家族4人で寝ている我が家の寝室は、CO2濃度がヤバいことになっていると言う話を紹介しました。その記事をまだ読んでない方は、こちらのリンクから前回の記事もチェックしてみて下さい。

24時間換気設備が稼働していても家族が一緒の部屋で寝ていると人の呼吸から排出されるCO2の量が多く、十分換気ができずCO2濃度が高くなっていることが分かりました。我が家の場合、第一種換気設備の風量を弱に設定していると、寝ている間のCO2濃度が2,000ppm、風量を強に設定していても1,200ppmと1,000ppm以上となっていました。

そこで今回は家族4人一緒に寝ていてもCO2濃度を1,000ppm以下に抑える方法がないか検討してみましたので紹介させて頂きます。

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スマートエアーズ(全館空調)が効果的

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これは前回の記事で紹介した我が家の寝室のCO2濃度です。換気設備の風量を強(97m³/h)に設定していると、1,200ppm程度で安定します。

24時間換気設備が稼働しているのに寝室のCO2濃度が高くなってしまう理由は、換気設備は各部屋を均等に換気しているのに対して、人が1つの部屋に集まってしまうことで換気とCO2排出のバランスが崩れていることが原因と推測できます。なので、スマートエアーズ(全館空調)を使って屋内の空気を循環してやればCO2濃度が低下するはず、ということで試てみた結果がこちらになります。

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換気設備の風量を強、スマートエアーズ(全館空調)を夜間18℃に設定して稼働した結果になります。予想通り夜間のCO2濃度は700ppmまで低下しました。

CO2濃度は低下しましたが換気設備の風量設定が強だと屋内の暖かい空気が逃げてしまって暖房費が高くなるので次は換気設備の風量弱とスマートエアーズの組み合わせでCO2濃度を確認してみました。

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この結果が換気設備の風量を弱(56m³/h)、スマートエアーズ(全館空調)を夜間18℃に設定して稼働した結果になります。先ほどの結果より悪くなると予想していましたが、換気設備の風量弱でも夜間のCO2濃度は700ppm程度とほとんど変わりませんでした。

この結果から換気設備の風量は弱でも家族4人分の呼吸から排出されるCO2の濃度を低減するには十分な換気量があることが分かりました。個人的には風量強じゃないと1,000ppm以下に抑えるのは難しとの結果になってくれると「寝室のCO2濃度をモニタしながら濃度が1,000ppmを超えると自動的に換気設備の風量を強に切替、800ppmを下回ったら風量を弱に戻す」ようなシステムをRaspberryPiで作ってスゴいだろーって記事を書きたかったのですが、換気設備の風量が弱でも室内の空気を循環して均一にできていれば、CO2濃度も十分低く維持でき問題ないという結果でした。

ちなみにスマートエアーズ(トヨタホーム全館空調)には換気の機能はなく、通常のエアコンと同様で室内の空気を吸い込んで熱交換器で温度を変えて室内に戻しています。1箇所から空気を吸い込み本体の熱交換器を通したあと各部屋にダクトを使って送られます。我が家の場合、階段ホールに吸込口があり換気設備から各部屋に送られた新鮮な空気が集まる場所なので、スマートエアーズを動作させると室内のCO2濃度をうまく均一にできました。ただトヨタホームは換気設備の空気の流れとスマートエアーズの空気の流れをちぇんと考えて最適な配置をしているかと言うと怪しい気がします。それぞれの設備で設置場所の制約やダクトの長さの制約などがあり、それぞれ別々に考えていると思うので、これからトヨタホームでお家を建てられる方は、空気の流れについてちゃんと考えているか確認してみた方が良いと思います。

CO2濃度とは直接関係ないですが、今回スマートエアーズを稼働させて温度を測定してみたところ、スマートエアーズの温度が意外と大きな幅で制御されていることに気付きました。先ほどのグラフは、夜間は18℃、昼間は20℃に設定して稼働した結果です。スマートエアーズの動作は室内の温度が設定温度に到達すると暖房を停止し、室内の温度が設定より2℃くらい低下すると、あらためて暖房するような動作をしていました。スマートエアーズを稼働していても少し寒く感じる時間帯があるので、もう少しこまめに制御して欲しい気もしますが、実際はこんな感じの動作になっているようです。

全館空調が無くてもできるCO2濃度低減

1つの部屋で家族4人で寝ていても全館空調を稼働すればCO2濃度を低減できますよ!!って言われても全館空調設置してないしって方も多いと思うので、全館空調が無くても寝室のCO2濃度を低減する方法を紹介します。

□家族で分散して寝る
先ほどの検証結果から設備の換気能力は風量弱でも十分室内のCO2濃度を低減でき、1つの部屋に集中していなければ問題ないので、家族で分散して寝ればCO2濃度が極端に高くなることは無いと思います。先ほどのCO2濃度測定データでCO2の濃度が深夜0時頃に1度飽和しています。この時点では僕を除いた家族3人が寝室で寝ていて、3人だと800ppm程度に収まるようです。その後、僕が就寝したあと1,000ppm超えているので、やはり人の数がCO2濃度に影響しています。

□扉を開けて寝る
断熱性能が高い今時の家であれば、通常のエアコン1台や2台で屋内全ての冷暖房ができてしまう家も珍しくないので、そのような家であれば、寝室を閉め切らずに扉を開けて屋内の空気が均一になるようにすると良いと思います。
残念ながらトヨタホームは断熱性能がそこまで高くなく、寝室の扉を開けて寝ていると冬は寒いと思うので、分散して寝るかスマートエアーズを導入しましょう!

間取りでCO2濃度を低減

これからお家を設計される方は、空気の流れを考えて換気設備の位置を設計すれば家族全員が寝室に集まって寝る場合でもCO2濃度の低減ができるかもしれないので、僕の考えたアイデアを紹介します。

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これ図は今の我が家の間取りと換気設備による空気の流れです。納戸に設置してある換気設備本体から各部屋の吸気口に新鮮な空気が送られて、階段ホールを介して換気設備に空気が戻ってきて排気されます。この状態で家族全員が寝室に集まると、換気設備の能力の1/3しか有効に活用できておらずCO2濃度が上昇してしまいます。

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これに対して換気設備をWICに設置するようにすれば、各部屋に送られた空気が全て寝室に集まるので、寝室のCO2濃度の上昇を避けることができます。

但し、寝室の近くに換気設備があると設備の稼働音が気になる方もいると思うので、そういう場合は寝室に個別換気設備を追加設置してCO2濃度を低減するのもありだと思います。

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トヨタホームは第1種換気設備に追加して個別換気設備を設置することができるので、家族が集まる場所には追加の換気設備を設置するのも良いと思います。ちなみにトヨタホームの個別換気設備は通常、部屋の数が多い場合や床面積が広い場合など、換気量が不足する場合に設置される設備になります。

また寝室の面積を広くするのもCO2濃度を下げる1つ方法です。我が家の場合、20:30に子供たちが就寝したタイミングから寝室のCO2濃度が上昇し2時頃に1,000ppmを超えています。部屋の面積が広くなればCO2濃度が上昇するスピードが遅くなるので、換気量は同じでも朝までにCO2濃度が飽和せず1,000ppm以下に抑えられる可能性があります。ただ単純に寝室の面積を広くするともったいないので、我が家のように書斎やWICを寝室とくっつけて同じ空気を共有している空間を広げるとよいと思います。

まとめ

今回は寝室のCO2濃度を低減する方法について紹介してきました。

本当は、色々なパターンを試してCO2濃度がどれくらい低減するか計測してみる予定でしたが、1つ目に試したスマートエアーズ(全館空調)の稼働で、かなりCO2濃度が低減できてしまい、この記事としてはあっさりした内容になってしまいました。

ただ今回の検証で、換気設備は風量弱でも家族4人分の呼吸から排出されるCO2を十分低減できる能力があることが分かったので、あとは如何に室内の空気を均一に保てるような間取りだったり設備の配置ができるかで、極端にCO2濃度が高くなることは避けられると思います。

これからお家を検討される方は、換気設備の種類だけでなく自分たちのライフスタイルから部屋ごとに必要な換気の量を考えて、間取りや換気設備の配置を考えてみると良いと思います。

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