ピュア24セントラル|トヨタホーム第1種換気システムのメリット・デメリット

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今回は、トヨタホーム第1種換気システムのピュア24セントラルについて紹介します。

第1種換気システムって何??という方もいると思うので、第1種換気システムの簡単な説明から、トヨタホームが採用している第1種換気システムの特徴とメリット・デメリットを紹介させて頂きます。

また第1種換気のメリットである熱効とデメリットであるメンテナンス性について、ピュア24セントラルの熱交換率や掃除方法も紹介させて頂きます。

これからお家設計される方に、第1種換気,第3種換気それぞれのメリット・デメリットを知って頂きお家設計に活かして頂ければと思います

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換気システムとは

そもそも換気システムとは、強制的に室内の空気を入れ替える換気設備のことですが、なぜ室内の換気が必要かと言うと法律で決められているからです。2003年に住宅の24時間換気が義務化され室内の空気を2時間に1回入れ替える換気設備が必須となっています。

この為、今お家を建てると24時間換気の設備を導入することになりますが、住宅用の換気システムは大きく分けて、第1種換気と第3種換気の2種類があります。第2種換気もありますが、一般の住宅ではあまり使われないので説明は割愛させて頂きます。トヨタホームも第1種換気システムとして「ピュア24セントラル」、第3種換気システムとして「ピュア24」という設備があり、お家設計の際に選択することになります。

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第1種換気システム(ピュア24セントラル)は、上の絵のように換気扇本体で取り込んだ外気をダクトを使って各部屋に送り、部屋や廊下を通して戻ってきた空気を換気扇本体で回収、屋外に排出するシステムで、吸気と排気の両方を機械換気で強制的に行う換気方法になります。
トヨタホームの場合、1階,2階それぞれに換気扇本体が設置されますが、ハウスメーカーによっては1台の設備で家中換気したり、全館空調と組み合わせて換気する設備などもあります。

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第3種換気システム(ピュア24)は、浴室やトイレに設置する換気扇を24時間稼働させて、家の中の空気を排気し、家の中が負圧になることで居室に設置された吸気口から外気を自然に取り込むシステムで、排気が機械換気、吸気は自然吸気の換気設備になります。

ピュア24セントラルの特徴

次に第1種換気システム(ピュア24セントラル)の特徴をメリット・デメリットの形式で紹介させて頂きます。基本的には第3種換気システムと比較したメリット・デメリットなので裏返して頂くと第3種換気システムのメリット・デメリットになります。またトヨタホームの第1種換気システム(ピュア24セントラル)特有の特徴については、その事がわかるように記載するので、トヨタホームでお家を検討されている方も、それ以外の方にも参考にして頂ければと思います。

□第1種換気システム(ピュア24セントラル)のメリット

・気密性が高くない家でも、ある程度まんべんなく換気できる
吸気と排気の両方を機械換気で行う第1種換気システムは、各居室に強制的に空気を送り込む為、気密性が高くない家でも一定量の換気が確保され換気不足や換気ムラが発生しにくい特徴があります。逆に第3種換気システムの場合、お家の気密性が高くないと想定外の箇所から外気が入り込み設計通り換気できないこともあるようです。

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・フィルタを通すことで室内にキレイな空気を取り込むことができる
第1種換気システムの場合、吸排気を1箇所の装置で集中管理し、その装置に空気清浄用のフィルタを組み込むことで、取り込んだ外気から花粉やPM2.5などの有害物質の除去して室内に送ることができます。トヨタホームの採用している高捕集率外気フィルタは、上の図のように1.0~2.0μmの粒子を97%キャッチするとのことです。また第3種換気システムの場合は、自然吸気になるので吸気口に目の細かいフィルタを設置すると吸気できなくなる可能性があり簡易的なフィルタを設置する場合が多いようです。

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・熱交換器により換気による熱損失を低減できる
第1種換気設備は通常、熱交換器も組み込まれており、排気で失われる熱を吸気で回収することで、換気による熱損失を低減し、冷暖房費を抑えることができます。トヨタホームの場合、上の図のように全熱交換器の熱交換率が70%とのことで、かなり熱損失を低減することが期待できます。但し、ここに記載されている熱交換率は、あくまで熱交換器を通過する空気の熱交換率で、後ほど詳しく解説しますが、実際はトイレや浴室の換気扇から熱交換されない排気が発生するのと、お家の気密性によっては、室内外の温度差や風による負圧の影響で自然換気が発生する為、お家全体で考えたときに換気設備の熱効率は、ここまで良くありません。
また第3種換気システムの場合は、吸気口と排気口が別々の場所に設置される為、基本的には熱交換することがでないので、第1種換気と比べて換気による熱損失が大きくなることと、冬場は吸気口から冷たい外気が入り込んでくることがデメリットになります。但し、先ほど第1種換気は風の影響により自然換気が発生すると記載しましたが、第3種換気の場合は室内が基本的に負圧になる為、風により室外が多少負圧になっても、自然換気の量が著しく増えることはないので、換気による熱損失は、ある程度一定になります。

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・吸排気口が1箇所にまとめて設置される為、お家の外観がスッキリする
上の写真で中央の窓の上に設置されているのが、トイレの換気扇の外部フードになります。トヨタホームの場合、吸気口も排気口も外観は同じで、第3種換気システムの場合、各居室に吸気口が設置されるので、この外部フードが各部屋の外壁に設置されますが、第1種換気システムの場合、外部フードが設置されるのは、換気扇本体の吸気・排気の2箇所、トイレと浴室、レンジフードのみで、基本的には家の裏手や側面に設置することが多く、正面から見た家の外観がスッキリします。

□第1種換気システム(ピュア24セントラル)のデメリット

・換気システムにコストがかかる
第1種換気システムは吸排気を集中管理する換気扇本体や屋内の吸排気配管が必要になる為、第3種換気システムと比べてコストがかかります。トヨタホームの第1種換気システム(ピュア24セントラル)の場合、1カ所102,700円なので、2階建てのお家の場合、205,400円の設置費用がかかります。
また換気扇本体を24時間常に稼働させている為、電気代がかかるのと、機械設備なので将来故障した場合は、設備交換の費用がかかるなど、ランニングコストもかかります。

・換気扇本体を設置する場所を準備する必要がある
これは特にトヨタホーム特有の話で、1階,2階それぞれ天井に換気扇本体を設置しますが、トヨタホームのユニットは、天井に補強張りが入っているので換気扇本体をその補強張りの下に設置する必要があり、換気扇本体を設置する場所は、他の部屋より天井が30cm程度低くなります。
下の写真は設置途中の写真になりますが、換気扇本体の高さ分、本来の天井よりこの部屋の天井は低くなります。

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・定期的なメンテナンスが必要
次の項目で詳しく紹介しますが、トヨタホームの第1種換気システム(ピュア24セントラル)は、2カ月に1度本体やフィルタの掃除が必要になります。また吸気ダクトの掃除は個人的には不可能ですが、10年,20年使用すれば汚れは溜まると思うので、どこかのタイミングで交換する必要があると思います。
下の黄色枠内に記載した話は、トヨタホーム アフターサービス担当の方から聞いた、本当にあった怖い話になります。刺激の強い内容なので、心臓の弱い方や虫が苦手な方は、読み飛ばして頂き、次の「ピュア24セントラルの掃除方法」に進んで下さい。

我が家に定期点検に来て頂いたトヨタホーム アフターサビース担当に方に聞いた話なのですが「ピュア24セントラルから異音がする」と、カスタマーサービスに連絡があり、設備の確認をするためアフターサービス担当の方が訪問して実際の設備を点検したところ、換気扇本体内のフィルタに虫がギッシリ詰まって吸気ができない状態になっていたことがあるそうです。その施主の方は本体やフィルタの掃除を1年以上実施していなかったらしく、その間に外気と一緒に取り込まれた虫がフィルタに詰まってしまったとのこと。
そのお宅は家の裏に林があり、虫が多い環境ではあったとのことですが、住宅地内の我が家でも2カ月に1度の掃除で夏場は虫取り網内に小さな虫が溜まっています。
この為、定期的なフィルタと本体の掃除は必須になります。

ピュア24セントラルの掃除方法

次に、トヨタホーム第1種換気システム(ピュア24セントラル)の掃除方法を紹介させて頂きます。

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上の写真はピュア24セントラルの換気扇本体と表面のパネルを開けた状態の写真になります。

この状態からネジで本体に固定されている高捕集率フィルタと全熱交換器を取り外します。換気扇本体は天井に設置されているので、掃除の際は脚立が必要になります。

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上の写真は取り外した高捕集率フィルタと全熱交換器で、フィルタや熱交換器の表面に付着しホコリなどを掃除機で掃除します。全熱交換器は室内空気の取り込みが側に簡易的なフィルタが設置してあり、その部分にホコリが溜まるので、掃除機で入念に掃除します。また簡易フィルタは水洗いも可能なので汚れが取れにくくなってきた場合は、水洗いを実施します。

 

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この写真は高捕集率フィルタと全熱交換器を取り外した換気扇本体で、奥に見える丸い穴が外気が入ってくる吸気口になります。この丸い穴の部分に次の写真のネットが設置されています。このネットは防虫用のネットで、外から換気扇の吸気に吸い込まれて入ってきた小さな虫などがこのネットに溜まるようになっているので、掃除機での掃除と水洗いを実施します。

以上がピュア24セントラルの掃除方法になります。換気扇本体は1階と2階に1台づつあるので、2ヶ月に1度、2台掃除することになります。またフィルタについては2~3年で交換することをトヨタホームは推奨しており、トヨタホームのオーナーサイトで1個 3,600円で購入できるので、汚れが取れなくなってきたら交換をします。また熱交換器も10年程度での交換を推奨されています。

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この写真は換気扇のスイッチになります。上のボタンが風量の切替スイッチで、トヨタホームは冬は「弱」、それ以外は「強」に設定することを推奨しています。ちなみに弱でも換気扇本体の風量は室内の空気を2時間の1度入れ替えるのに十分な風量が確保されています。
下のボタンが換気扇のON/OFFスイッチですが、基本的には24時間つけっぱなしで、誤ってOFFにならないよう、長押しでOFFとなるスイッチになっています。そして次の写真は下段がスイッチの表面パネルを開いた状態で、奥にタイマー用のダイアルが設置されています。このダイアルは、1ヶ月,2ヶ月,3ヶ月とタイマーの期間を選択できるようになっていて、選択した期間経過するとスイッチ内のLEDが点滅して換気扇の掃除時期を教えてくれるようになっています。

ピュア24セントラルの熱効率

続いては、トヨタホームの第1種換気システム(ピュア24セントラル)の熱交換率について考えてみたいと思います。

1つ目は、ピュア24セントラルの熱交換器で、どの程度、熱損失が低減できているか確認してみたいと思います。

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上の図は、我が家の1階(68.53m²)を第1種換気システム(ピュア24セントラル)と第3種換気システム(浴室とトイレから換気)の消費電力の比較です。室外の温度が5℃の状態で室内をエアコンで25℃に維持した場合の1ヶ月の消費電力が赤字で記載されています。
換気による熱損失は下の計算式で求めていて、換気する空気の量は、我が家の1階を0.5回/hで換気する空気量で計算しています。第1種換気システムの熱交換器による回収エネルギーは、下の式の温度差の部分を14℃(20℃×70%)にして計算しています。

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更に、この計算を月ごとに実施すると年間の換気による熱損失が計算できます。平均気温は、僕が住んでいる愛知県の2019年の平均気温で計算しています。またエアコンは常に稼働して室内を25℃一定にキープした場合の熱損失なので、実際の使い方(緑色の月はエアコン停止)とは、多少結果が異なります。

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この結果から、第3種換気に比べ第1種換気の方が換気扇自体の消費電力は大きいものの、熱交換器による熱損失の低減によりエアコンの消費電力が抑えられる為、年間で見た場合の換気によるトータルの消費電力が小さくなることが分かります。
また熱回収は、温度差が大きいほど効果があるので、寒冷地ほど消費電力の低減量が大きくなります。

但し、実際の我が家の換気による熱損失は、この通りではないので、2つ目は、第1換気システムだけでなく、お家トータルで見た場合の、換気による熱損失について考えてみたいと思います。

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実際の我が家の換気は上の図のようになっています。第1種換気システムと合わせて、浴室とトイレの換気扇も24時間稼働している為、実は熱交換されずに排出される空気がたくさんあります。
トヨタホームの第1種換気システム(ピュア24セントラル)は、全熱交換式という熱交換器を使用していますが、この熱交換器は熱以外に湿度も交換することができます。これにより梅雨の時期は除湿効果、冬場は乾燥をやわらげる効果があります。但し全熱交換式は、臭いも通してしまう為、トイレの排気を兼ねることができないのと、湿度が交換される為、浴室の換気も別で行う必要があります。この為、浴室とトイレは別の換気扇で24時間換気をしています。浴室とトイレの換気扇から排気された空気の分は、吸気口もしくは、お家の隙間から入ってくるので、熱交換されない外気となります。

この状態だと、全体の換気風量が220m³/hなのに対して、熱交換される風量が67.9m³/hとなり、換気量全体の30%しか実際は熱交換できていないことになります。

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これを先ほどの計算式にあてはめると、上の図のように必要以上に換気をしてしまっている我が家は、必要最低限の換気量(0.5回/h)で換気した場合の第3種換気と比べて、熱損失が大きくなっていることが分かります。

第1種と第3種どちらを選べば良い?

僕は、お家を建てる時に24時間換気システムのことをここまで深く考えておらず、営業担当の方に勧められるがまま、ピュア24セントラル(第1種換気システム)を導入しました。またカタログに記載されてる「70%熱交換で省エネ」や「花粉やMP2.5カット」などを見てスゴく良いじゃんと思っていましたが、いま考えると、メンテナンスの部分や省エネの部分で、必ずしも第1種がおすすめとは言えないと思っています。

ただ第1種換気、第3種換気、それぞれにメリット・デメリットがあるのと、先ほどの熱効率も地域や設置する換気扇の種類、お家の大きさによっても変わってくるので、自分たちの環境や予算を考えて最適な選択をして頂ければと思います。

最後に、いま考えるもし我が家で第3種換気を採用した場合の吸気口の配置案を紹介します。僕は建築に関して素人なので参考程度に見ていただければと思いますが、もし「いいね」と共感して頂ける場合、著作権料はいらないので、設計担当の方に提案して頂いても問題ありません。

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第3種換気システムは、吸気口から入ってくる空気が外気になるので、夏は暑く、冬は冷たい空気が入ってくるデメリットがあります。これに対して吸気口を全館空調の吹出口近くに設置することで、吸気口から入ってきた空気と冷暖房の空気を混ぜて室内に送ることで、温度差を感じにくくします。

また、第3種換気システムは気密性が高くない住宅だと吸気口以外の部分から空気が入り込み計画通り換気できないデメリットがあります。トヨタホームのC値は公開されていないので、正確な数値は分かりませんが、モデルルームの参考値として2.7cm²/m²との数値があったので、この値から計算すると、我が家1階の隙間面積は185cm²となります。この隙間に対して10倍の通気口を設ければ9割は計画通り換気されることになりますが、さすがに1850cm²分の通気口を設けるのは多すぎるので、5倍程度としφ150の通気口を5箇所設置し8割は計画通り換気できるようにしてみました。但し、この考え方は隙間が家の中に均等にあることが前提となります。もし換気扇に近い玄関ホールに185cm²の穴が1箇所空いている場合は、計画通り換気できないと思います。

更に家の中を均等に換気する為、換気扇から遠く負圧が最も弱まる和室部分に換気口を2箇所設けて通気量を確保するように考えてみました。

まとめ

今回は、トヨタホームの第1種換気システム(ピュア24セントラル)について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?

記事の途中にも記載しました、僕は、お家設計をしていたときに、24時間換気についてそこまで深く考えていませんでしたが、考え出すと奥が深く、色々な情報があるので、もっと考えてお家設計しておけばよかったと思っています。

ちなみに第3種換気だと家の中が基本的に負圧になるので、屋内の湿気が壁の中に侵入しずらく構造体が腐食しにくくなるので家が長持ちするなんて情報もあります。トヨタホームは鉄骨造&防錆処置が厳重なのでそこまで関係ないかもしれませんが、なるほどなぁと思える情報です。

ただ、ネットで色々調べていると理論的に納得できない情報、例えば「穴のあいたストローで吸い込んでも水は口の中に入ってきませんよね?お家の隙間も一緒で隙間の多い家だと吸気口から計画的に吸気ができません」って一見なるほどと思いますが、吸気口から吸い込みたいのは水では無く空気なので、正しくは「穴のあいたストローで空気を吸い込んだ場合、先端と穴の面積比でそれぞれから入ってくる空気の量が決まる」が正しく、水は比重が違うので比較対象とするのは間違っていると思います。他にも条件設定がおかしいと思われるデータ、例えば「屋外に6m/sの風が吹いていると気密性の低い家は負圧で正しく換気ができない」って6m/sの風が常に吹いている前提になってるけど、風の谷にでも家を建てるのかい!?ってデータで話が進められていたりする記事も見かけたことがあるので、全ての情報を鵜呑みするのではなく、自分が納得いく情報で納得できる選択をしてもらえれば、後悔のないお家づくりができるのではないかと思います。

今回紹介した内容以外にも換気設備に関する記事を書いているので、気になる方はリンク先の記事も読んでみて下さい。

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