土地区画整理事業と保留地|住宅ローンが自由に選べない!?

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今回は僕が家を建てた土地区画整理事業地内の保留地について紹介させて頂きます。

『土地区画整理事業』と聞くと、道路やインフラが整備され、キレイな公園がある新しい住宅地をイメージすると思います。

完成した町並みのイメージは同じですが、工場や大きな施設の跡地、山を切り開いた土地に作られる新しい住宅街の分譲地と土地区画整理事業地には、少し違いがあります。

我が家は、この土地区画整理事業によって生まれた『保留地』に家を建てたのですが、僕は『保留地』のことを何も知らないまま土地の売買契約を結んでしまい、あとからデメリットがあることを知りました。

今回は土地区画整理事業によって生まれる『保留地』とは何なのかと『保留地』を購入する場合のデメリットについて紹介させて頂くので、これから土地探しをされる方に、参考にして頂ければと思います。

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土地区画整理事業と保留地

土地区画整理事業とは、安全で快適な住みやすい街をつくるために、土地所有者,住民,行政などが協力して行う事業で、道路や公園、下水道などの公共設備を新しく設置する為に、所有者が土地を出し合い整備してあらためて宅地を分配することをいいます。

古い住宅地だと道が狭く、曲がりくねったりしていて、土地の形状が正方形や長方形ではないため、新しいお家を建てにくい場合があります。このよなう場所で区画整理事業を行い、広い道や、きれいに整形された宅地をつくります。土地の所有者は、広い道路や公園をつくるために、もともと持っていた土地を提供する必要があり所有する土地の面積は小さくなりますが、住みやすい住宅地になることで土地の価値は上昇します。

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行政のホームページに、わかりやすい絵があったの引用させて頂き、この絵を使って説明させて頂くと、Gさんのお宅は、区画整理後にもともと持っていた土地の一部を道路や公園などに提供することで、面積は狭くなりますが、整形され広い道路に面した使い勝手の良い土地になっています。

提供した土地は、道路や公園などの公共設備だけではなく、一部が『保留地』として今までになかった新しい宅地に割り当てられます。この『保留地』を一般に売却することで区画整理事業の事業費にあてられ事業が運営されています。

我が家は、この土地区画整理事業で生まれた保留地を購入してお家をたてました。上の絵だと規模感が小さく感じますが、実際に我が家が購入した保留地がある土地区画整理事業地は、施工面積が22.24ha(東京ドーム約5個分の面積)、総事業費が52.6億円、施工期間が16年と大規模なに土地開発をしている地域となっています。

また開発範囲が広いため、施工面積の約3/4が保留地になっており、その保留地の一部(98区画)をトヨタホームとミサワホームが代理販売しているかたちでした。

そもそも土地を購入するときに『保留地』自体、知らなかったですが、ハウスメーカーが代理販売していたこともあり、ハウスメーカーが主導で開発した大規模分譲地だと思っていました。

保留地のメリット・デメリット

このように通常の土地とは、少し生い立ちが違う『保留地』には、その特性上メリット・デメリットがあるので、それぞれ紹介させて頂きます。

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・区画整理されているため、住みやすい
・土地価格が周辺の相場より安い場合が多い
・不動産業者の仲介手数料が不要

メリットの1つ目は、区画整理された土地で住みやすいことです。先ほど『土地区画整理事業と保留地』で説明させて頂いた通り、安全で快適な住みやすい街づくりをコンセプトに開発された土地になるので、基本的にはどの区画も6m以上の道路に面し、住宅地内の幹線道路には歩道や街灯が整備され、住民が快適で安心して住める環境が準備されています。

メリットの2つ目は、土地価格が周辺の相場より安い場合が多いことです。保留地は土地区画整理事業の施工者か市町村が所有していることがほとんどで、販売されるときの価格が、市場価格の相場ではなく、路線価ベースで決められることが多い為、市場の相場より安くなることが多いようです。その為、人気があり販売が抽選になることもあります。

メリットの3つ目は、不動産業者の仲介手数料が不要なことです。2つ目のメリットで記載したように、保留地は土地区画整理事業の施工者か市町村が所有している為、売り主から直接購入することになり、不動産業者を通さないので仲介手数料が不要になります。

 

・住宅ローンに制限が生じる

次にデメリットを紹介します。保留地は土地区画整理事業によって生まれた土地で、もともとは存在しなかった土地になります。この為、法的には土地区画整理事業か完了するまでは、登記ができず、その間は土地区画整理組合の台帳で管理されることになります。この為、保留地は購入時点で所有権も抵当権も登記できないという理由で、原則住宅ローンを組むことができません。

住宅ローンを組めないことは、これからお家を建てる多くの方にとって致命傷です。ただ土地区画整理組合と金融機関が提携して、保留地専用ローンを提供している場合もあるので、住宅ローンを使って保留地の購入を検討されている方は、事前に確認をしてください。

ただ住宅ローンが組めたとしても、保留地は銀行にとってリスクなので、通常の住宅ローンより借り入れ金額の上限額が低くなったり、金利の優遇率が小さかったりと条件が悪い場合があります。また選べる金融機関も土地区画整理組合が提携している金融機関のみなので、条件の良い住宅ローンが選べない可能性が高くなります。

我が家の住宅ローン

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こんなデメリットがあること知らないまま我が家は、土地を契約しトヨタホームで家を建てることになりました。

ローンが自由に選べないことが分かったのは、土地の契約をしてから5ヶ月も後のことでした。お家の設計が、ある程度かたまり、いざ住宅ローンをどうするか営業担当と話をしたときでした。

僕は前もって、色々な金融機関の住宅ローン情報を集め、比較してどの住宅ローンの条件が良いか考えていたので、営業担当と住宅ローンの話をするときに「住信SBIかイオン銀行を考えている」と伝えたところ「保留地だから、その金融機関だと恐らく住宅ローンを組めないと思う」と言われ、このとき初めて『保留地』は、住宅ローンに制限が生じることを知りました。

結局どうなったかと言うと、地域の信用金庫とトヨタホームが提携して展開している住宅ローンが、我が家が契約した保留地でも住宅ローンを組むことができるということで、地域の信用金庫で住宅ローンを組むことになりました。このトヨタホームの提携ローンが、トヨタ系社員限定で、かなり金利を優遇していて、事前に調べていた住信SBIやイオン銀行と変わらない金利で、さらに「団信」と「がん保証」が金利上乗せなしで付帯できるということで、当時、僕が調べた中では一番条件が良く結果的に『保留地』のデメリットである『住宅ローンの制限』は受けたものの、制限された住宅ローンが最も条件が良かったという、幸運な結果となりました。

お家を建てて5年住みましたが、まだ土地区画整理事業は完了しておらず、あと3年かかるようなので、それまではローンの借り換えはできません。もし5年固定、10年固定などでローンを組んで固定期間が終わった後に借り換えを考えている方は、土地区画整理事業がいつ終わるかも確認しておく必要があります。ちなみに僕の住んでいる地域の土地区画整理事業は、購入したときの完了予定は既に過ぎていて、3年ほど延長になっているので、事業が遅れることも加味しておいた方が良さそうです。

まとめ

今回は土地区画整理事業と保留地について紹介させて頂きました。

我が家は、たまたまデメリットが大きな問題になりませんでしたが、住宅ローンを自由に選べないことは、お家を建てる上でかなりネックになると思いますので、土地探しから初めてお家を建てられる方は保留地と言う土地があることと、住宅ローンに制限がかかる可能性があることを知って頂き、土地探しの参考にして下さい。

ちなみに我が家が契約した保留地は、トヨタホームが代理販売していましたが、一般的には市町村が販売していることが多く、不動産屋を巡っても物件を見つけることができないので、購入を希望する地域で保留地がないか調べる場合は、市役所や土地区画整理組合のHPを調べてみて下さい。

また土地区画整理事業が完了すると住所名が、昔ながらの住所(○○町字○○)から、新しい住所(○○町○丁目○番地○○)に変わることが多いようなので、その際に金融機関や会社などに届けている住所を変更する手間が発生しますが、住民で住所名を決めることができ、自分たちで選んだ町名に住むことができます。

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