据付|ユニットが宙を舞うトヨタホーム現場工事の一大イベント(午後編)

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今回は、前回に引き続き『据付』の午前編を紹介していきます。

午前編をまだご覧になっていない人は、是非こちらのリンクから午前編の記事もチェックしてみて下さい。

午前編では2階ユニットの設置までを紹介させて頂きました。午後編は残念ながら午前編のような派手な作業はありませんが、ユニットの設置が完了するとお家の中に入ることができるので、午後編では据付直後の屋内の様子を中心に紹介していきます。

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PM 1:00

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午前編の最後は2階ユニットとバルコニーを組み付けた、この写真まで紹介させて頂きました。

この後、建方の職人さんたちは、昼休憩とのことだったので、僕も昼ご飯を食べに現場を離れ1時間後に戻って来たところ、なんと屋根が完成していました。

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と言うことで、屋根の設置については詳しく解説できないのですが、完成した屋根裏を撮影した写真があるので、こちらで構造を簡単に解説させて頂きます。

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縦方向に伸びている黒色の柱は、ユニットに使われている柱と同じ鉄骨にカチオン塗装された骨組みになります。
天井に斜めに設置されている銀色の金属は天井パネルを支えている骨組みで、これは天井のパネルと一体となった状態で工場から出荷され、現場でユニット側の骨組みに固定されます。

トヨタホームは鉄骨造の住宅ですが、この写真を見て頂くと屋根の部分には多くの木材が使われていることが分かります。この為、屋根裏の空間に湿気が溜まると木材を痛めてしまうので、屋根裏の通気性はとても重要です。トヨタホームはフラット屋根、寄棟、切妻と屋根の種類が選べますが、屋根裏空間ができる寄棟と切妻は、軒になっている部分にスリットが入っていて、屋根裏と外気が繋がり通気を確保しています。屋根裏を覗いて頂くと真っ暗な中で外周部分に少し光が入ってきている箇所がありますが、その部分が外と繋がっている部分になります。

無造作に置かれた毛布のように見えるオレンジ色のビニールはグラスウール(断熱材)です。我が家が完成した2015年当時のトヨタホーム シンセシリーズの天井裏の断熱仕様は、グラスウール16K t=150mm(t=75mm×2)となっていますが、現在はZEH対応で、断熱材の厚さがt=210mmに強化されています。屋根裏に入って確認した感じ、きっちり2枚重ねというより、最低2枚以上になるように多めに敷いてる感じでした。

断熱材の上に置かれている銀色のパイプは、2階スマートエアーズ(全館空調)のダクトです。

奥の壁は、外壁になるサイディングの裏側が見えています。中央の部分だけ板が貼られていますが、これは補強用の板になります。壁掛けテレビや壁に造作棚を作るとき、石膏ボードの裏に補強用の板を入れますが、同じように外壁の裏にも補強用の板を入れることができます。
この部分は、下の写真のように外側に妻飾りを設置する為、補強用の板が入っています。

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トヨタホームは、工場で生産される割合が高く標準化が進んでいるので、あまり自由度がないイメージもありますが、カタログには載ってない妻飾りなどもインテリアコーディネーターさんに相談すれば、設置することができます。ちなみにこの妻飾りは、アルミ製の鋳物や建築材料を製造しているMINOという会社の妻飾りで裏側の補強も合わせて40,400円でした。

PM 2:00

屋根の組み付けまで完成すると大型クレーンが撤収し、僕たちも家の中に入れるようになります。ここからは据付直後の屋内の状態についてレポートしていきます。

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この部屋はリビングになります。ご覧頂いて分かるように天井や壁は、既に石膏ボードの設置まで完了しています。1つのユニット内で完結する壁は、基本的に工場で作られて据付の時点で完成しています。ユニットとユニットを跨ぐ壁については、据付のあと現地で設置されるので、所々壁が設置されていない部分もあります。

上の写真で右側の少し石膏ボードが抜けている部分は、壁掛けテレビを設置するスペースで補強用の板が入っています。この壁の中にテレビボードとテレビの間の配線を通すスペースを作るので、この部分だけまだ石膏ボードが貼り付けられていません。

写真中央の部分は、リビングと廊下を繋ぐ扉が設置されますが、扉の左側の壁はユニットを跨ぐ壁になるので、据付の時点では、まだ設置されていません。奥に見えているのはユニットバスが設置されるスペースになります。

そして、左側は階段と階段下収納になります。階段は工場で設置されているので、据付のタイミングから屋内の階段を使って2階にアクセスすることができます。

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このスペースはキッチンとダイニングです。左側の壁の天井近くに空いている丸い穴がレンジフードの換気口です。左の壁際に置いてある設備は、食洗機や1階スマートエアーズ(全館空調)の本体と室外機になります。1階スマートエアーズの本体は、先ほどの階段下収納の中に設置されます。中央に置かれている荷物は恐らくキッチンの部材だと思われます。

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この写真はリビングからダイニングを見た写真です。左奥は和室になり、少し見えている棚は和室の吊り戸収納になります。左側の壁は電動シャッターのスイッチが集まっているので、壁の中にたくさん配線が集中しています。

壁や天井の石膏ボードが切れている部分は、ユニットとユニットの境目で、黒く見えている部分はユニットの柱や梁になります。この部分は、後ほど断熱材を入れてその上から石膏ボードが設置されます。

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床はこんな感じで据付時点ではフローリングの下地になるパーティクルボードまで設置されています。床の仕様は断熱材の上にパーティクルボード20mmが設置され、その上にフローリングが施工されます。写真は丁度、ユニットのつなぎ目部分ですが、床に関しては既につなぎ目部分を埋める処置がされています。写真左側の床に何やら印字がされていて「F☆☆☆☆」と書かれているのが見えるでしょうか?これは住宅に使われる部材のホルムアルデヒド放散量のクラスを表示する印字で☆4つは放出量が5μg/m²以下ともっとも少ないクラスになります。
トヨタホームの資料によると、床材、建具、クロスなどに使用する部材はホルムアルデヒドの放出量が少ない物を厳選し健康に配慮した空気環境を実現しているとのことです。

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天井の石膏ボードはダウンライトが設置される部分に穴が開けられていて配線も完了しています。
奥の穴はホースのような物が出ていますが、これは第1種換気の吸気ダクトになります。

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続いて2階の紹介です。この部屋は寝室で左側は書斎スペース、右側はWICになります。
入り口の扉に「扉の反対側に部材が置いてあるので、注意して開けて下さい」と張り紙がしてあります。トヨタホームの施工をしている職人さんなら、いつものことでしょって気もしますが一様こんな注意書きもあるんですね。

書斎スペースの壁が一部石膏ボードが貼られておらず中の断熱材が見えています。この部分は屋外からのネット配線の引込みなどがあるので、恐らく壁の中の配線が完了していない為と思われます。

書斎スペースに断熱材のグラスウールがたくさん置いてありますが、これはどこに使われる物か検討がつきませんでした。トヨタホームの断熱は外に面する壁の中にグラスウールが採用されていますが、その部分は全て工場で施工されています。また1階と2階の間と天井裏にもグラスウールが採用されていますが、それもユニット組み付けの際に施工していたので、あまった断熱材??ですかね。

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この写真は子供部屋です。扉の横に隙間が空いていますが、ここも現場で壁が作られます。床に石膏ボードが積まれているので、このあたりの部材を使って残りの壁を作っていくと思われます。

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このスペースは2階トイレです。トイレにしては少し物足りない気がしないですか?そぉです給排水の配管がありません。通常のトイレであれば、床から排水管が出ていますが、ユニット工法の場合、1階と2階のユニットの間に給排水の配管を通すスペースがないので、2階トイレの排水は横引きで右側の壁の中に配管されます。そのあとの配管もとてもユニークなのですが、その話をしだすと長くなるので、また別の機会に記事にしたいと思います。

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こちらは階段室です。この部分は1階と2階のユニットの構造体が見えています。1階ユニットの梁の上に2階ユニットの梁が隙間なく乗っているので、先ほど紹介したように2階トイレの給排水配管を横方向に通すことができません。但し電気配線を通す為の穴は空いていて、この穴を使って隣のユニットへ配線を繋いでいます。

この写真だと分かりにくいかもしれませんが、右のユニットから出てきている電気配線の中に、よく見ると緑色の線が何本か混じっています。緑色の線は通常アースの配線で、その名の通り地球に繋がる電気配線になっています。アース線は敷地のどこかにアース棒と呼ばれる金属の棒を地面に差し込んで、その金属に接続することで、地球に繋いでいます。
何で地球に繋がる電気配線があるかと言うと、水回りの家電などが漏電した場合に、このアース線を使って地面に電気を逃がすことで、漏電している家電を人が触っても感電しないようにしています。なのでキッチンや洗面室で使用する家電を自分で設置する場合は、安全の為にちゃんとアース線も接続することをおすすめします。

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こちらも階段室の写真です。この写真を見るとトヨタホームの1階と2階の間の仕様が分かります。
ぺらぺらの断熱材が敷いてあるなぁってところに目がいくと思いますが、注目ポイントはその下です。黒い金属はユニットの梁の部分で、その下にパーティクルボードがあり、その下は1階天井の石膏ボードになります。この石膏ボードをよく見ると2枚重ねになっています。トヨタホームは「災害に強い家」を売りにしていて、その1つに火災に強いという項目があり防火にも力を入れています。その仕様の1つとして2階への延焼を遅らせるため1階天井の石膏ボードが2枚重ねの仕様になっています。

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この写真はバルコニーから2階の外壁を撮影しています。外壁から飛び出している紐のような物は、ユニットとユニットの間の隙間を埋めるガスケットになります。外壁のサイディングは熱によって伸縮するので、その伸縮を吸収するためにシリコンによるコーキングではなくゴム製のガスケットを使用しています。このガスケットは新築した最初の頃は外れてくることがあるので、その場合はグイグイ押し込んでおけば良いとのことです。

ちなみにトヨタホームの外壁は高い耐久性と断熱性を売りにした自社開発、自工場生産のオリジナル外壁でセラミックを配合した窯業系サイディングボードになっています。その高耐久性を実現しているのは「HDセラコート・スーパーファイントップ」と呼ばれる外壁塗装で一般的に耐久性が高いと言われている「無機塗料」になります。

トヨタホームの春日井工場へ工場見学に行くと、屋外に外壁材がたくさん並べてあるエリアがあり、外壁材やその塗装を自社で研究していると紹介があります。その研究・開発の結果、一般的な耐久性が15年程度と言われている無機塗装ですが、トヨタホームのHDセラコート・スーパーファイントップは30年の耐久性を実現しているとのことです。

ちなみに、最近では新しく「ジオデュアルトップ」という塗装が出ていて、トヨタホームならではの自動車の塗装技術を応用して云々と、これだけで1つの記事が書けそうなので、トヨタホームの外壁については、また別の機会に紹介したいと思います。

PM 3:00

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大型クレーンが撤収したあとも、屋外では屋根の防水処理作業が進められています。

屋根の構造用パネルの上に防水紙(ルーフィング)を設置しています。ルーフィングは大型のホッチキスのようなタッカーと呼ばれる工具で屋根の構造用パネルに打ち付けて固定されています。
使用されているルーフィングは、耐久性の高い改質アスファルトルーフィングになります。

上の写真は、ルーフィングが敷き終わり完成した状態ですが、少し時を戻すと下の写真のように屋根の中央の部分からルーフィングを設置し始めています。

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我が家の屋根は、家の正面(南側)と西側に妻側があり、2つの切妻を合わせるような屋根になっています。その為、2方向の屋根が交わる部分が谷のようになり雨が流れる際に、この部分に集中する為、防水的に弱くなりやすい箇所になります。この防水的に弱くなる部分はルーフィングを重ねて防水性能を強化する為に屋根の中央部分(谷になる部分)からルーフィングを設置しています。

屋根の防水処理が完了して「据付」の1日が終了になります。我が家の3時過ぎの時点で、ここまで完了し建方の職人さんはみなさん撤収していきました。

据付Q&A

ユニット工法特有の「据付」は、他の工法では棟上げや建方に相当するイベントと紹介しましたが、一般的な在来工法の棟上げで行われるイベントは、トヨタホームの場合どうなるのか、最後に簡単に紹介させて頂きます。

□上棟式
トヨタホームの据付では、上棟式は行われません。他のトヨタホーム施主の方のブログを見ても上棟式が行われているのは見たことがないので、基本的に上棟式は行われないようです。
ただ地鎮祭の時にお祓いして頂いたお札は屋根を設置する作業なかで屋根裏の構造体に取り付けて頂いています。

□餅巻き
他の工法でも最近は餅巻きをされる施主の方は少ないと思いますが、トヨタホームの据付では、餅巻きを実施する時間はありません。

□差し入れ
差し入れは持って行って迷惑になることはないので、じゃんじゃん持って行って良いと思います。飲み物、お弁当、お菓子などが定番ですが、特にこれはやめておいた方がいいなどはないです。
午前中は、建方の職人さんがみなさん一緒に作業をされていて、休憩もみなさん一緒に取られるので、飲み物やお菓子は出しやすいと思います。

まとめ

2回にわたって紹介してきたトヨタホームの据付はいかがでしたでしょうか?

お家の耐震性や断熱性など、いわゆる性能と呼ばれる部分は工場で作り込まれ、今回紹介した『据付』の段階で、ある程度できあがっている為、この後、現場で施工頂く職人さんの腕に左右されにくく、安定した品質を提供できることがトヨタホームが採用するユニット工法の1番のメリットになります。

他にも1日で窓や玄関扉も完成するので、現場工事の初日からお家に鍵をかけることができるのも地味なメリットです。またこの後、内装や外装の仕上げ作業が進められ、約2ヶ月程度で引渡しとなる工期の短さもトヨタホームの特徴的な部分です。

ちなみに据付の際に集まって頂いた職人さんは、普段はそれぞれ別の現場で作業をさせているらしく、据付となると1日みなさん集まっての作業となるので、据付の現場はテンションが上がると話をされていました。
施主側も職人さん側も楽しみな据付、もしトヨタホームでお家を建てられる場合は、是非立ち会ってユニットが中を舞う迫力を体感したり、お家が完成すると見えなくなる部分をしかっりチェックしたりしてみて下さい。

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