トヨタホームのHEMS紹介|自動車部品メーカ デンソーが作るHEMSの使い勝手は!?

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今回はトヨタホームのHEMSについて紹介します。

そもそもHEMSってなに!?って人もいると思うので、HEMSの簡単な解説からトヨタホームのHEMSの特徴について紹介していきたいと思います。

またトヨタホームのHEMSは、他のハウスメーカでは見かけることがない自動車部品メーカのデンソーが作るHEMSになります。

トヨタホームでしか採用する機会がないうえに普及率も高くないので、あまりレビューを見かけることのないデンソー製HEMSの使い勝手を紹介させて頂き、これからトヨタホームでお家を検討されている方に参考にして頂ければと思います

さらに何でデンソーがHEMSを作っているのか?デンソーが作るHEMSにメリットがあるのか?などちょっと変わった目線でも紹介していきたいと思います。

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HEMSとは

HEMSとは「Home Energy Management System(ホーム エネルギー マネジメント システム)」の略で家庭内のエネルギーが、いつ、どこで、どれだけ使用されているか「見える化」し、家の機器を効率よく「コントロール」するシステムになります。エネルギーの有効活用と、ムリのない省エネ行動の促進に加え、家の外からでも機器のコントロールすることが可能になります。

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HEMSのメイン機能は、名前の通りお家のエネルギーマネージメントになります。トヨタホームのHEMSのエネルギーマネージメント機能は大きく分けて2つの機能があります。

1つ目は「エネルギーの見える化
家の中で消費したエネルギーや発電したエネルギーがひと目でわかり楽しみながら省エネを実現することができます。下の写真は実際の我が家のHEMSモニターの画面です。このように部屋ごとに消費している電力が見えるので人がいない部屋で照明やエアコンがつけっぱなしになっているとすぐに気付くことができます。

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消費電力を測定する機能は標準で準備されていますが、オプションで水道やガスの消費量を計測する機器を追加して表示することもできます。

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これは1日の消費電力を時間別に表示したグラフです。1ヶ月分を日ごとに表示したり、年間の消費電力を表示し、1年前、1ヶ月前の消費電力と比較表示することもできます。

我が家はソーラーパネルやエネファームなどの発電設備がないので、グラフには電気消費量のみ表示されていますが、発電設備がある場合、青色で発電量も表示されます。

2つ目は「エネルギーの制御
ソーラーパネルやエネファームなどの発電設備とリチウム蓄電池やEV・PHVなどの蓄電設備があれば、エネルギーを賢く制御して使うことができます。
通常ソーラーパネルやエネファームで作った電気は家の中で消費し余った電気を売るのが一般的ですが、トヨタホームのHEMSと蓄電設備を連携させると、余った電力は蓄電設備に充電し夜に使用したり、安い深夜電力で蓄電設備を充電し昼間に使用するような制御をすることができます。さらにHEMSはインターネットに接続しているので、翌日の天気予報を確認し曇りや雨などでソーラーパネルの発電が期待できない場合は、蓄電設備の充電量を通常よりアップして割高な昼間の電力の購入量を減らすような制御をしてくれます。

HEMSのメインの機能は、ここまで紹介してきたお家のエネルギー制御ですが、HEMSにはエンルギーの制御以外に家の中の機器をまとめて制御したりインターネットに接続してIoT化する機能があります。

HEMSから操作やモニタできる機器は、それぞれのメーカのHEMSによって異なりますが、一般的にエアコンやスマートエアーズ(トヨタホーム全館空調)などの空調設備、エコキュート、電動シャッター、電気錠などが一括で操作できるようになります。またHEMSを介してインターネットに接続することで、外出先からスマホを使って操作やモニタすることができるようになります。例えばトヨタホームのHEMSだと外出先で家の鍵をかけたか心配になった場合、施錠状態をスマホで確認し、もし解錠状態だった場合は遠隔操作で施錠することもできます。

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その他にもトヨタホームならではのHEMSの機能については、後ほど「トヨタホームHEMSの特徴」の項目で紹介させて頂きます。

トヨタホームの場合、後ほど紹介する自動車部品メーカのデンソーが作っているHEMSを採用することになりますが、一般的にはパナソニックや東芝、シャープなどの家電メーカが作っている製品が多くなります。特にパナソニックの場合、洗濯機や冷蔵庫、炊飯器のような一般的な家電から照明、電動シャッター、エコキュート、エネファームなどの住宅設備まで幅広い製品を扱っているので、HEMSと連携し操作できる機器が多く、お家のIoT化を進めたい方に向いています。

デンソーが作るHEMS

先ほど少し紹介しましたが、トヨタホームのHEMSはトヨタグループ自動車部品メーカのデンソーが開発・製造しています。そもそも「デンソー」って聞いたことのない会社ですが、どんな会社なのか?なんで自動車部品メーカがHEMSを作っているのか紹介したいと思います。original-option_01「デンソー」ってあまり聞いたことのない会社ですが、日本の自動車部品メーカの中で最も売上高が高く、2020年の売り上げは5.1兆円と全ての業種の売上高ランキングでも25位に入る大きな会社です。ちなみにハウスメーカの中で最も売上高が高い大和ハウス工業が4.3兆円で29位、トヨタホームは約800億円なので、僕たちが知っているハウスメーカよりもかなり規模の大きな会社になります。

デンソーの主力製品は自動車用のパワートレイン機器でエンジンに燃料を噴射するインジェクターや空気の吸入量をコントロールするスロットルバルブ、排気ガスに含まれる有害な物質を取り除く為のフィルタなどを生産していいます。

次に売り上げが大きいのは熱機器で自動車用エアコンでは世界シェア25%,日本国内のシェア50%と、どちらも1位のシェアを誇っています。また自動車にはエンジンを冷やすためのラジエータと呼ばれる機器が装着されており、この分野でも世界的なシェアを誇っています。ちなみにトヨタがF1に参戦していた時は、トヨタのF1マシーンのエンジンを冷やすラジエターもデンソーが開発したモノが搭載されていました。デンソーは自動車用熱機器の技術を使って一般家庭向けの熱機器も開発・生産しており、今では一般的となったエコキュートは2001年にデンソーが初めて量産化したものになります。他にもスマートエアーズ(トヨタホーム全館空調)もデンソー製の製品になります。

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そして次に売り上げが大きいのがエレクトロニクス製品になります。最近の自動車はたくさん電子機器が搭載されていて、例えばメーターやナビなどドライバーに情報を伝える端末や車両の前方をカメラでモニタし自動ブレーキや自動運転など、運転を支援する機器などがあります。このあたりはドライバーに直接関係する機器なのでわかりやすいですが、他にもエンジンやトランスミッションを制御するコンピューターやハイブリッド車のモーターやインバーター、リチウムイオン電池を制御するコンピューターなどがあります。カローラーやヤリスのような普通車でも30~40個のコンピュータが搭載されていて、レクサスなどの高級車になると100個を超えるコンピュータが搭載されていると言われています。このようなエレクトロニクス製品をたくさん開発・製造しているデンソーは、このエンジンや車両を制御する技術を応用して家庭用のHEMSを開発・製造しています。ちなみにデンソーのエレクトロニクス製品の売り上げは全体の2割を占めておりエレクトリにクス製品の売り上げだけで1兆円を超えていて、住宅業界で売上高3位の住友林業の売り上げと同じくらいあります。

車載部品は一般的な家電製品と違い-30℃の寒冷地から100℃を超えるエンジン内で使用されたり悪路走行などによる振動にも耐えるように設計されています。このようにデンソーは車載製品でのノウハウと実績のあるメーカーなので、あまり聞いたことのない会社ですが、住宅設備の分野でも品質の高さには期待できると思います。

トヨタホームHEMSの特徴

自動車部品メーカのデンソーが作るトヨタホームのHEMSは、やはり自動車との連携機能が充実しています。自動車とお家を繋ぐV2Hスタンドと組み合わせて使えば、自動車(EVやPHV)を蓄電池代わりに使用することができ、安い深夜電力で自動車のリチウムイオンバッテリを充電、電力を多く使用する昼間に自動車からお家に電力を供給するこができます。このV2Hスタンドもデンソーが開発・生産している為、デンソー製HEMSとの相性がよくHEMSで全てのコントロールができるようになります。

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また一般的な蓄電池は停電時に100Vのコンセントや一部の回路しか使用できないのに対して、V2Hスタンドで自動車から電源を供給した場合、200Vのコンセントも含めた家全体の電力を供給することができます。バッテリと燃料が満タン状態のアウトランダーPHEVであれば、一般的な家庭の消費電力10日分を供給することができるとのことで、災害による停電時には心強い設備となります。

他にも車両のナビとHEMSを連携させて、出発する際に家の鍵をかけ忘れていた場合、ナビから警告する機能などもあります。

トヨタホームはHEMS以外にも、自動車部品メーカが作っている住宅設備がたくさんあり、スマートエアーズ(全館空調)、ラ・ロック(電子錠)、エネファーム、エコキュート、電動シャッターなどがトヨタホームオリジナルでトヨタグループの自動車部品メーカが開発・製造しているモノになります。ことトヨタホームオリジナルの設備は全てデンソー製のHEMSと接続して制御できるようになっているので、他のハウスメーカーと違いオリジナルの住宅設備が多いトヨタホームは、デンソー製のHEMSととても相性がよいです。

トヨタグループの自動車部品メーカが作るトヨタホームオリジナル設備については、別の記事に詳しくまとめているので、気になる方はこちらのリンクもチェックしてみて下さい。

トヨタホームHEMSの使い勝手

最後にトヨタホームHEMSを実際に使ってみた感想を紹介します。

・住宅設備を一括操作できるのは便利
・外出中に玄関の鍵を解錠するとメールで知らせる機能が使える

実際にトヨタホームのHEMSを使って1番メリットを感じるのは、スマートエアーズ(トヨタホーム全館空調)や電動シャッター、ラ・ロック(トヨタホーム玄関電子錠)の操作をHEMSモニタ1つで操作できることです。それぞれの操作パネルを1つの壁に集めれば、各機器を1箇所で操作することもできますが、集めた壁がかなりゴチャゴチャしてしまいます。それがHEMSモニター1つで操作できることで、スッキリ配置することができます。

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我が家はこんな感じでドアフォンと並んでHEMSモニタを設置しているで、子供が学校から帰ってきたときは、ドアフォンで応答して、HEMSモニタで玄関ドアを解錠できるのでとても便利です。
HEMSとは直性関係ないですが。この写真でドアホンとHEMSの設置高さが、中心揃えでもなく、下揃えでもなく、微妙にズレているのは設計通りなのか、施工ミスなのかちょっと気になるところです。

また外出中にラ・ロック(トヨタホーム玄関電子錠)が解錠されると、登録したメールアドレスに解錠があったことを知らせてくれます。我が家は共働きなので、子供が学校から先に家に帰ることがあるのですが、どの鍵で解錠されたのかもわかるので、子供が無事に帰ったことを確認することができとても助かっています。

・タッチパネルの操作性が悪い
・お出かけモードの設定が面倒

実際に使っていて微妙だと感じる部分は、HEMSモニタのタッチパネルの操作性です。最近のスマホやタブレットなどのタッチパネルはかなり高性能なので、それに慣れているとHEMSモニタの動きの遅さがとても残念に感じます。自動車のナビも同じように動きが遅いですが、スマホのように作れない理由はないと思うので、タッチパネルの操作性は、今後改善して欲しいポイントです。このあたりは家電メーカと違い自動車部品メーカが作っているHEMSのデメリットかもしれません。

またHEMSの紹介の項目で外出先からも家の中の機器を操作できると紹介しましたが、トヨタホームのHEMSの場合、外出先から操作する為には、外出時にHEMSモニタでお出かけモードに設定する必要があります。セキュリティー面を考えての操作だと思いますが、毎回外出する際にお出かけモードに設定するのはかなり面倒です。この部分もセキュリティーと利便性を両立できるように改善して欲しいポイントになります。

まとめ

今回はトヨタホームのHEMSについて紹介してきました。

我が家はソーラーパネルなどの発電設備がないので、HEMSの性能を十分に活用できていませんが、発電設備や蓄電設備、またV2Hスタンドで自動車とお家を繋げたりする方は、HEMSがあった方がいいと思います。

トヨタホームのHEMSは、本体が138,700円、拡張ECUが86,750円で合計22万円くらいし安くはないので、発電設備がなくエネルギーマネージメント機能を活用できない状態で、一括操作パネルとしての使い方がメインだとちょっともったいない気がしますね。

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