今回は、トヨタホーム オリジナルのオプションを紹介させて頂きます。
トヨタホームは、トヨタ自動車の住宅部門が独立してできたハウスメーカーなので、グループ会社に自動車部品を製造しているメーカーが多く、その自動車部品メーカーが住宅用に開発した商品がたくさんあります。
ハウスメーカーのオプション設備は、住宅設備メーカーが生産していることが多く、自社開発のオプション以外は、どのハウスメーカーでも採用することができますが、自動車部品メーカーが生産しているトヨタホームのオプション設備は、トヨタホームでしか採用できないオリジナルのオプション設備が多いので、今回は、普通の家づくりでは、なかなか出会わない自動車部品メーカーが開発したトヨタホームならではのオプション設備を紹介させて頂きます。
デンソー
みなさん「デンソー」って会社名を聞いたことがありますか?100円均一の会社じゃないですよ。デンソーは日本を代表する自動車部品メーカーで自動車部品の売上高が、ドイツのボッシュに次いで世界第2位の会社になります。自動車部品のメーカーなのに、完成車メーカーのマツダやスバルよりも売上が高い、かなに大きな会社ですが、デンソーの製品を一般のユーザーが目にする機会が少ないので知らない方も多いと思います。モータースポーツが好きな方は、トヨタのレースカーに、DENSOのスポンサーロゴが入っていることが多いので見かけたことがある方もいると思います。実は20年くらい前にJ-PHONEから「まめぞう」と言う携帯電話を発売していたこともあるのですが、今は携帯電話事業から撤退しています。
そんなデンソーの売り上げの1/4を占める主力製品が、自動車用エアコンやラジエターなどの熱マネージメント製品になります。デンソーは自動車用エアコンなどの技術を活かして、後ほど紹介する住宅用の設備も生産してます。
スマートエアーズ(全館空調)
スマートエアーズはトヨタホームが展開する全館空調で、デンソーが製造しているトヨタホームオリジナルのオプション設備になります。住宅用の全館空調はパナソニック、東芝、三菱電機、ダイキンなどの家電メーカーも製造しており、各ハウスメーカーで採用することができますが、スマートエアーズは導入コストが100万~150万円程度と他のメーカーと比較すると安く、グループ会社で商品を生産している強みを発揮しています。
スマートエアーズについては、別の記事で詳しく紹介しているので、気になる方はリンク先をチェックしてみて下さい。
エコキュート
お家を検討されている方ならエコキュートは、みなさんご存じだと思いますが、デンソー製のエコキュートがあることを知っている方は少ないのではないでしょうか。実は、このエコキュート、2001年にデンソーが初めて商品化し、その基本特許の保有していて、パナソニックや三菱電機もデンソーの特許を使ってエコキュートを生産しています。
デンソー製エコキュートは市販されているので、リフォームなどで導入することができますが、新築でデンソー製のエコキュートが標準設定されているのは、トヨタホームならではだと思います。
リチウムイオン蓄電池
デンソーの住宅用設備には、熱マネージメント系の製品以外に、リチウムイオン蓄電池もあります。リチウムイオンはセル毎の電圧が均等になるよう充放電制御を行うことで、安全に高い性能を引き出すことができますが、デンソーはハイブリッド車や電気自動車に搭載されるリチウムイオン電池の電源制御をおこなうユニットを設計、生産しています。電池自体は他社製ですが、車載用の電源制御技術を応用して家庭用のリチウムイオン蓄電池も生産しています。この製品もトヨタホームでオプションとして採用することができます。
V2Hスタンド
お家と車のコラボレーションは、トヨタホームが最も得意な分野ですが、その商品の1つにV2Hスタンドがあります。V2HはVehicle to Homeの略で、電気自動車を充電するだけでなく、貯めた電気を家庭で使用することができるスタンドになります。
このV2Hスタンドは、安い夜間電力でEVやPHVを充電し、昼間は車から家庭に電力を供給することで、ピーク電力をカットし、電気料金を低減することができます。さらに停電の時でも、車から家庭に電力を供給することで、普段とかわらない生活ができるようになります。また後ほど紹介するデンソー製のHEMSと連携することで、翌日の天気予報から余剰電力を予想し、車の充電制御おこなってくれます。例えば翌日の天気が晴れの場合は、夜間に車を充電せず、昼間に太陽光で発電した電気を使って車を充電します。
HEMS
HEMSは最近のお家では当たり前の住宅設備になりつつありますが、トヨタホームでもHEMSを標準的に設置しており、そのHEMSはデンソーが設計、製造しています。上で説明してきたように、トヨタホームにはデンソー製の設備が多く導入されている為、デンソー製HEMSと相性がよく、スマートエアーズやエコキュート、V2HスタンドをHEMSでコントロールできるようになります。またインターネットに接続することで、外出先からでも住宅設備をコントロールすることもできます。
アイシン
アイシンは、東海地方の方なら『辺見えみり』さんが出演するCMで、オートマチックトランスミッションを作っているメーカーとして認知度が高いと思います。トランスミッションなどのパワートレイン製品以外にもブレーキやパワースライドドア、カーナビなども生産しています。
そんなアイシンは、本業とはあまり関係なさそうな意外な住宅設備を生産し、トヨタホームで採用することができます。
エネファーム
エネファームは、都市ガスやプロパンガスから水素を取り出し、その水素と空気中の酸素を化学反応させて、自宅で電気を作る燃料電池システムです。発電時に出る熱を利用してお湯も一緒につくるため、エネルギー効率が高く、発電所で作られて家庭に送られてくる電気のエネルギー効率が37%程度なのに対して、エネファームのエネルギー効率は85%と非常に効率がよく、CO2排出量を削減できる環境にやさしい製品になります。
なかでもアイシン製のエネファームは、エネルギー効率が高く、世界でも最高水準のエネルギー効率を実現しています。また停電の時でもガスと水が止まっていなければ、電気を作ることができ災害対策としても有効です。
エアリーガード
エアリーガードは、アイシンが生産するトヨタホームオリジナルのブラインドシャッターになります。ルーバーの角度を自由に変えられることで、シャッターを閉めた状態でも、光や風を取り込むことができます。
他のメーカーでも同じようなブラインドシャッターは生産されているのですが、このエアリーガードは、下の写真のようにシャッターを閉めた状態で、上から何枚かのルーバーだけ角度を変えることができ、夜に外からの目線を遮った状態で、通気を確保できるユニークな機能があります。
ただ、このエアリーガードは非常に高価で、一般的な電動シャッターの3倍くらいの値段がするので、なかなか採用されているお家を見かけることはありません。
アスリープ
アスリープは、住宅設備ではないので、トヨタホームのオプションというわけではないのですが、アイシンの生産するちょっとかわった面白い製品なので紹介させて頂きます。アスリープは家庭用ベッドのマットレスで、通常のマットレスに使われるスプリング使用しておらず、ファインレボと呼ばれる特殊な素材で体を支えます。
僕もショールームでアスリープに横になったことがありますが、とても寝心地が良いので、気になる方は、近くのショールームを探してみて下さい。
東海理化
東海理化は、自動車に搭載されるスイッチ類など車とドライバーのインターフェースになる製品やシートベルト、キーレスエントリーシステムなどを製造しているメーカーになります。
ラ・ロック
ラ・ロックは、東海理化が生産するトヨタホームオリジナルの住宅用電子錠になります。自動車のキーレスに使われるイモビライザーの機能を使った電子錠で、自動車のキーレスと同じ技術を使用してい為、トヨタ車やダイハツ車の鍵を家の鍵として共用することもできます。ラ・ロックについては、別の記事で詳しく紹介しているので、気になる方はリンク先をチェックしてみて下さい。
豊田自動織機
トヨタといえば自動車のイメージですが、実は原点は繊維機械(糸を織物へと織りあげる機械)で、トヨタ自動車は、豊田自動織機の自動車分門が独立してできた会社になります。今は、豊田自動織機も繊維機械より自動車部品を多く生産しており、エンジンやコンプレッサ、ハイブリッド車に使われるDC-DCコンバータやインバータなどを生産しています。他にもトヨタのホークリフト、トヨタL&Fはトヨタ自動織機で生産されています。
EV,PHV用充電スタンド
豊田自動織機は、ハイブリッド車向けエレクトロニクス製品の技術で、EV,PHV用充電スタンドを生産していて、トヨタホームで採用することができます。
豊田通商
豊田通商はトヨタグループの商社で、自動車、金属、機械の他に、石油などのエネルギー資源や保険なども扱っている総合商社になります。
豊田通商はエネルギーマネージメント事業の一環として、トヨタホームオーナー向けのFIT期間終了後の余剰電力買い取りサービス実施しています。他のハウスメーカーでも余剰電力買い取りサービスはありますが、豊田通商の特徴的なサービスは、保険と組み合わせたサービスで、パワコン故障時に保険金が支払われるプランがあります。
トヨタホーム
ワイドスパン工法
最後にトヨタホーム独自の工法について紹介させて頂きます。
トヨタホームはユニット工法という、トヨタホームとセキスイハイムしか採用していない、ユニークな工法で住宅を建築しています。なかでもトヨタホームでは、ワイドスパン工法を使って、ユニット工法の弱点である、ユニットの柱を移動して広い空間を作ることができるオプションがあります。
トヨタホームのユニット工法の制約やワイドスパン構法については、別の記事で詳しく解説しているので、気になる方はリンク先をチェックしてみて下さい。
まとめ
今回は、トヨタホームで選べるオリジナルオプションについて紹介させて頂きました。
自動車関連の会社が作るオリジナルオプションは、他のメーカーにはないユニークな設備や商品が多くあります。また全館空調やエコキュートなど一般的な住宅設備でもグループ会社生産の設備だと安く導入できるメリットもあります。
他にもトヨタホームは自動車とコラボする設備やITを使ったスマート設備に力をいれているので、車好きの方や最新のスマートハウスに興味のがあるかたにはおすすめです。
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