トヨタホームの防音性能|グラスウールの吸音性と防犯ガラスの遮音性紹介

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今回はトヨタホームの防音性能について紹介します。

トヨタホームに限らず最近のお家は、断熱性を良くするために窓ガラスが高性能になっていたり、壁の中に断熱材が入っていたりするおかげで、意識しなくても防音性能が高いお家が多くなっています。

特にトヨタホームは、標準装備の防犯ガラスが普通のペアガラスよりも遮音性能が高く、また外壁の断熱材に使用しているグラスウールには吸音性がある為、防音性能に有利な構造となっていて、ホームページなどでも防音性能の高さをアピールしています。

実際に我が家は、電車の線路から30~40mの距離にあるのですが、普段生活してるなかで電車や屋外の騒音が気になることはほとんどなく防音性の高さを実感しています。ただ何で防犯ガラスが遮音性に優れているのか、何でグラスウールに吸音性があるのかハウスメーカーのホームページでは、なかなか解説されていないので、今回は防音性能が向上するメカニズムやデータを紹介し、これからお家を建てられる方で防音性能が気になっている方に参考にして頂ければと思います。

また基本的には、お家全体の防音性能は高いのですが、構造的にどうしても防音性が落ちる部分があるので、実際に住んでみて感じる防音性が低い箇所も紹介させて頂きます。

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防犯ガラスの遮音性能

まずは窓ガラスの遮音性について紹介していきます。

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このグラフはYKK APのホームページに紹介されている窓ガラスの種類別遮音性能のグラフになります。横軸が周波数で数値が小さいと低い音,数値が大きいと高い音になり、縦軸が音響透過損失で数値が高い方が遮音性能が高くなります。

理由は後ほど詳しく紹介しますが、低い周波数では3mm+3mmのペアガラスが最も性能が悪く、高い周波数では6mmの単板ガラスが性能が悪いことがわかります。これに対して複層 防犯合わせガラスは全ての周波数で高い遮音性を発揮しています。

ガラスの遮音性能は、基本的に質量に比例して性能が向上します。単純に重いガラスの方が振動しにくいので屋外から侵入してくる音の振動が室内に伝わりにくくなります。ガラスの重さ=ガラスの厚みなので厚みのあるガラスを採用すると窓の防音性能が向上します。

但しガラスには共振周波数と呼ばれる特定の周波数で振動が増幅してしまう周波数があり、この共振周波数付近の音はどうしても防音性能が低下してしまいます。先ほどのグラフで3mm+3mmのペアガラスと6mmの単板ガラスでトータルのガラスの厚みは両方6mmなので重さは同じくらいになりますが、周波数によって防音性能に違いがでているのは、この共振周波数が異なることが要因になっています。6mmの単板ガラスは2,000Hz付近で共振が発生し防音性能が低下していますが、3mm+3mmのペアガラスは共振が低い周波数で起きるので、250Hz付近の防音性能が低下しています。

これに対して複層 防犯合わせガラスは、片側のガラスが合わせガラスとなっていて、厚みの違うガラスでペアガラスを構成しているので、防音性能が低下する周波数が無く、低音から高音まで広い周波数で防音性能が高いガラスになっています。

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トヨタホームのガラスは標準で複層 防犯合わせガラスとなっていて、SBQ3+A12+(FL3+PVB30mil+FL3)と厚さ3mmと3mm×2の合わせガラスの為、3mmと6mmのペアガラスとなっていて防音性に有利なガラスを採用しています。

グラスウールの吸音性能

次にグラスウールの吸音性について紹介します。

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1つ目のグラフは断熱材の中でもグラスウールとポリスチレンフォームの防音性能を比較したグラフになります。グラフを見て頂くと断熱材の厚みは同じ50mmでもグラスウールの方が吸音性能は3~10倍良いことが分かります。ちなみに同じ厚みであれば断熱性能はポリスチレンフォームの方が良い場合が多いです。

2つ目のグラフは同じ密度(24K)のグラスウールで厚さと吸音性能を比較したグラフになります。吸音性能はグラスウールの厚みが大きい方が良くなることが分かります。

先ほど窓ガラスの防音性能では、質量の重い方が遮音性能が向上すると紹介しましたが、グラスウールは軽い素材なのでガラスのような遮音性能は期待できません。そのかわりグラスウールには音を吸収して透過するのを防ぐ吸音性があります。

音は空気が振動することによって伝わりますが、その空気の振動がグラスウールに伝わるとグラスウールは軽い素材なので空気と一緒に振動します。その際グラスウールの繊維と繊維がこすれ合って摩擦熱が発生します。このようにグラスウールは音の振動エネルギーを熱エネルギーに変換する特徴があり音を吸収する吸音性に優れた素材となっています。

トヨタホームはユニットに125mmの太い柱を採用している為、構造上どうしても外壁と内壁の間に広い空間ができてしまいます。その為、断熱材を充填するスペースが十分あり、薄ても断熱性能が高いポリスチレンフォームではなく、コストパフォーマンスに優れたグラスウールを断熱材に使用していて、その結果、防音性にも高くなっています。

トヨタホームオリジナル遮音構造

複層 防犯合わせガラスと外壁の断熱材グラスウールは、もともと別の目的で採用している部材が防音性能に優れていて結果的にお家の防音性能が向上していますが、トヨタホームには防音性能の向上を狙って準備されているオリジナルの遮音装置もあるので紹介させて頂きます。

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上の図はトヨタホーム ユニット構造の1階と2階の間の断面図になります。吸音材と書かれているのは、先ほど紹介したグラスウールで1階と2階の間にも防音の目的で設置されています。そしてダイナミックダンパーと書かれている装置がトヨタホームオリジナルの遮音装置となっています。トヨタホームのホームページでは

ダイナミックダンパーは自動車の振動音対策を応用した世界初の制振技術。床全体の振動を低減させ、音の発生を抑えます。

と紹介されています。実際に、このダイナミックダンパーの振動を低減する効果は展示場でも体験することができ、ダンパーが装着されている場合と装着されていない場合で、鉄骨の振動の伝わりが全然違うことを実験装置を使って体感することができます。

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こちらの写真は我が家の据付の時の写真です。クレーンでつり上げられているのは2階のユニットで、床下の鉄骨にダンパーが装着されていることが分かります。このように2階ユニットの床下の梁には全てダイナミックダンパーが装着され2階の振動が1階に伝わりにくい構造となっています。

ただ実際に住んでみて2階の振動が1階に伝わりにくいかと言われると微妙で、2階で子供達がドタドタ走り回っている音は1階にしっかり聞こえてくるので、ホームページに書かれているほどの効果は期待できないと思います。

防音性が低下する場所

最後にお家の中で防音性能が低いと感じている場所について紹介します。

ここまで紹介してきた通りトヨタホームの家は基本的に防音性能が高いのですが、浴室にいると屋外の音がよく聞こえてきます。浴室も基本的には同じ構造で、どちらかというとユニットバスの壁や天井がある分、他の部屋よりも1枚壁が多く防音性能が高くてもよさそうなのですが、恐らく換気扇のダクトを伝って外の音が入ってきます。

換気扇はトイレやキッチンにもありますが、浴室は静かな状態で長く滞在する為、外の音が特に気になるのだと思います。冒頭でも紹介しましたが我が家は電車の線路が近いので、お風呂に入っていると電車の通過音がよく聞こえてきます。もしかすると換気扇のダクトを設置する壁が線路側でなければ、もう少し音が軽減したかもしれないので、換気扇のダクトは道路や線路など騒音が大きい方向に設置しない方がよいと思います。

また外の音が中に入ってくるということは、中の音が外に漏れている可能性もあるので、お風呂で歌う方は換気扇のダクトが隣の家の窓の近くなどにならないよう考えた方がよいかもしれません。

まとめ

今回はトヨタホームの防音性能について紹介してきました。

トヨタホームの場合、他の目的で採用している窓ガラスや断熱材のおかけげ、標準仕様の状態でも防音性能が高いお家となっているので、線路や幹線道路の近くに家を建てる場合でも騒音の影響は受けにくいと思います。

ただ、防音性能が高いといっても完全に外の音をシャットダウンできるわけではないので、どれくらい騒音が軽減するか気になる方は、建て売りのお家を見学して確認してみるとよいと思います。

我が家が購入した住宅街も、線路に近い区画は建て売りにしていて、実際に電車の騒音を体感して購入できるような工夫をしていたので、そういう場所を探して自分の耳で体感してみるのが1番だと思います。

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