スマートエアーズ ダクトの汚れ|全館空調の内部を内視鏡カメラで調べてみた

smart-airs-ductスマートエアーズ
スポンサーリンク

今回はスマートエアーズ(トヨタホーム全館空調)のダクト内部の汚れを調べてみたので紹介させて頂きます。

全館空調に対するネガティブな意見として「ダクトの内部が掃除できないのでホコリがたまったりカビが生えたりして、建物全体に汚れた空気を循環してしまう」なんてことが言われたりします。

そのようなネガティブな意見に対して全館空調を展開するハウスメーカーは「全館空調は1年中稼働していて止めることがないので、ダクト内にホコリがたまったり、結露が発生してカビが生えるようなこともない」というような反論をしていたりします。

どちらの意見も一理あるように思いますが、実際のところはどうなのか、6年間使用した我が家のスマートエアーズのダクト内部がどうなっているのか調べてみたので紹介したいと思います。

スポンサーリンク

スマートエアーズとは

まずスマートエアーズについて簡単に紹介をさせて頂きます。

smartairs-about01

スマートエアーズはトヨタホームが展開している全館空調の商品名で、トヨタグループ自動車部品メーカーのデンソーが設計・生産している製品になります。

スマートエアーズの特徴は、1階と2階で全館空調のユニットが分かれていて、1階ユニットは本体を階段下収納などの中に設置し、2階ユニットは本体を屋根裏に設置します。1階と2階でユニットが分かれていることで、それぞれ違う温度に設定したり、1階だけ稼働して2回は停止しておくこともできます。

今回紹介するスマートエアーズのダクトに関しても、1階と2階でユニットが分かれているので、フロアをまたぐような縦方向のダクトはなく、それぞれのフロアで独立した横方向のダクトが設置されるシンプルな構成になっています。

choose-toyota-home_04工場で製造されているユニット

unit-construction_01建築現場で組み立てられるユニット

トヨタホームはユニット工法を採用していて、建物の8割が工場で作られ、現場での据付(ユニットを基礎の上に組み立てる作業)は、1日で2階屋根まで完成させます。この為、1階と2階をまだくような大がかりな設備を設置することはあまり得意ではなく、1階と2階で完全に独立した全館空調を採用しています。

先ほど紹介したようにトヨタホームの全館空調はトヨタグループのデンソーが設計しているので、トヨタホームの建築工法に合わせた専用設計となっています。このあたりはグループ会社で設備を作れる大きなメリットです。

ちなみにデンソー製の全館空調は、スマートエアーズ以外に「PARADIA」という商品が販売されていて、トヨタホーム以外でも採用することができます。このPARADIAという全館空調はユニットが1台で1階と2階の空調を管理しているようなので、1階と2階でユニット分けるスマートエアーズは、やはりトヨタホーム専用に設計された全館空調のようです。

このトヨタホーム以外で採用できるデンソー製の全館空調は、三井ホームやスエーデンハウスのモデルルームで体験することができるようなので、興味のある方は「デンソー 全館空調」と検索して頂き、デンソーのホームページから設置されているモデルルームを調べて、実際に体験してみて下さい。

スマートエアーズのダクト

先ほどスマートエアーズの紹介項目でも少し触れましたが、スマートエアーズは1階と2階のダクトが独立していて、1階と2階を繋ぐ縦方向のダクトはなく、各フロアに横方向のダクトのみが設置されます。

unit-installation_06

この写真は我が家のスマートエアーズ1階ダクトです。1階のダクトは床下に配置されるので、据付当日しか見ることができません。写真奥のダクトが集まっている部分が1階本体(室内機)を設置する階段下収納の真下にあたる部分です。この写真を見るとダクトの長さが無駄に長いような気がします。ダクトが長くて折れ曲がっていると、通過する空気の圧力損失が発生し効率が落ちそうですが、そこまでは考慮されていないのか、もしかすると全部のダクトの長さを合わせて、各吹き出し口からの風量に差が出ないようにしているのかもしれません。

smart-airs-duct_01

そしてこちらの写真が我が家のスマートエアーズ2階ダクトです。2階のダクトは屋根裏に配置されていて、屋根裏点検口から確認することができます。左側の太いダクトは2階本体(室内機)に空気を吸い込むダクトで、我が家の場合、階段ホールの天井から本体へ接続しています。ダクトが天井から吊り下げられているのは、恐らくダクトの重さでグラスウール(断熱材)を潰してしまうことを避けているのだと思います。また右側に見える細いダクトは2階本体(室内機)から各部屋に空気を送り込むダクトになっています。

内視鏡カメラとは

次に今回ダクトの内部を調べる為に準備した内視鏡カメラについて紹介したいと思います。

smart-airs-duct_14パッケージ

smart-airs-duct_15内視鏡カメラ

今回使用した内視鏡カメラは、針金のように形状記憶できる半剛性ワイヤの先端に小型カメラが設置されているタイプのモノで、普段見ることができない狭い空間などに、カメラを挿入して撮影することができます。

smart-airs-duct_02半剛性ケーブル

smart-airs-duct_03スマホやタブレットとWi-Fi接続

カメラと反対側の本体部分には、Wi-Fi送信機が内蔵されていてカメラで撮影した映像はスマートフォンやタブレット端末で確認することができます。専用のアプリをダウンロードして内視鏡カメラとWi-Fi接続した状態でアプリを起動するだけなので、スゴく簡単に使用することができます。

またカメラの先端にはLEDライトが内蔵されていて、本体側のダイヤルで光量を調整できるので暗い場所から明るい場所まで撮影することができます。

smart-airs-duct_04調光可能なLEDライト

smart-airs-duct_053種類のアダプター

先端に取り付けるアダプターも複数付属していて、狭い隙間に落としたモノをフックやマグネットで拾い上げたりすることもできるようになっています。

今回使用した内視鏡カメラはAmazonで3,000円くらいで購入することができます。ダクト内の撮影以外にも、隙間に落ちた物を拾ったり、DIYで狭い空間に配線を通す場合などにも役立ちそうです。

ダクト内部の汚れ紹介

それでは、本題のダクト内部の汚れについて紹介していきます。

1階ダクト

smart-airs-duct_07

1階ダクトは先ほど紹介したように床下に配置されているので、1階の吹き出し口は上の写真のように床に設置されています。

smart-airs-duct_16

吹き出し口のカバーを外すとこのようになっていて、この写真だと分かりにくいですが、手前側にダクトへ繋がる穴があいています。

1階の吹き出し口は床に設置されているので、ホコリやゴミなどが落ちやすく、定期的に内部を掃除する必要があります。

smart-airs-duct_06

そしてこちらが1階ダクト内部を撮影した写真になります。意外とキレイというよりホコリや汚れなどは全く付着していませんでした。本当は内視鏡カメラを使って吹き出し口から本体の近くまで撮影したかったのですが、半剛性ケーブルがけっこう固くて、ダクトが曲がっている部分から先へうまく進めず、吹き出し口に近い部分しか確認することができませんでしたが、撮影できた範囲にはホコリや汚れなどはまったくありませんでした。

2階ダクト

smart-airs-duct_09

続いて2階ダクトです。2階ダクトは屋根裏に設置されているので、2階の吹き出し口は天井に設置されています。2階の吹き出し口は下向きに設置されているので、ホコリやゴミが溜まることがなく、掃除の必要もないので今回初めてカバーを取り外しました。

smart-airs-duct_10

こちらも1階と同じで吹き出し口の内部にダクトに繋がる穴が空いているので、ここから内視鏡カメラを入れて撮影していきます。

smart-airs-duct_11

2階のダクト内部も1階と同様、非常にキレイな状態でホコリや汚れなどは全くありませんでした。

その他

今回の調査では、スマートエアーズのダクト内部にホコリや汚れなどはなくキレイな状態でしたが、実はダクト以外の部分でホコリがたまりやす場所があるので紹介しておきます。

前回、スマートエアーズのメンテナンスについて紹介する記事の中で「我が家の1階本体(室内機)は階段下収納内の使えないスペースを有効活用して設置しました」と記載しましたが、この階段下収納の奥に本体を設置したことで階段下収納の内部はホコリがたまりやすくなっています。

smart-airs-duct_13

上の写真の赤矢印の部分は階段下収納内に空気を取り込むガラリで、この部分は非常にホコリがたまるので定期的に掃除が必要になります。

またガラリ以外にも扉の隙間から空気を吸い込んでいるようで、青色矢印で示した隙間にもホコリがたまります。

smart-airs-maintenance_01

他のにも階段下収納内に置いている荷物にもホコリが付きやすいので、スペースを有効活用するという観点で、階段下収納にスマートエアーズ本体を設置することは良かったのですが、本体に向かう空気の通り道はホコリがたまりやすいので定期的に階段下収納内の掃除が必要になります。

まとめ

今回はスマートエアーズ(トヨタホーム全館空調)のダクト内部の汚れについて調べてみた結果を紹介してきました。

冒頭に記載した全館空調に対するネガティブな意見「ダクトの内部が掃除できなのでホコリがたまったり、カビが生えたりする」に対して、実際に調べてみた結果、ホコリがたまっていたり汚れがついているようなことはなく、非常にキレイな状態でした。6年使用してホコリなどが全く無い状態なので、10年後,20年後でも特に問題ないように思います。

またスマートエアーズのダクトは断熱材で覆われているような構造をしていたので、ダクト内で結露することも考えにくく、カビが生えるようなこともなさそうです。

普通に考えれば、ハウスメーカーや全巻空調を生産する設備メーカーが10年,20年で使用できなくなってしまう住宅設備を設計するとは考えにくく、メンテナンスフリーで使い続けられるように設計するか、掃除や交換ができる構造にして定期的にメンテナンスするかのどちらかに設計されていて、トヨタホームのダクトに関してはメンテナンスフリーで使用できる設計がされていると考えられます。

但し、フィルタや吹き出し口の掃除を定期的に実施することは大前提だと思うので、長く快適に使えるようメンテナンスはサボらず地道に実施するようにしましょう。

今回紹介させて頂いた記事以外にも、スマートエアーズのメリット・デメリットやコストを紹介する記事も書いているので、こちらの記事もよかったら読んでみて下さい。

コメント

タイトルとURLをコピーしました