トヨタホーム換気システム紹介|ピュア24セントラルってなに?

Ventilation-systemマイホーム
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今回はトヨタホームの換気システムについて紹介させて頂きます。

そもそも「カンキシステム」ってなに??という方もいると思いますので「換気システムとはどういうものなのか」「なんでこんなモノを設置しなければいけないのか」という話からトヨタホームで選べる換気システムの種類まで紹介させて頂きたいと思います。

と、エラそうに換気システムの紹介記事を書いていますが、実は最近まで換気システムがどのような役割をしているのか知らず、もちろん家を建てた時も何のこっちゃわからず、営業担当おすすめの設備が選ばれていました。ただ何のこっちゃわからずに設置するには、ちょっと高価な設備ですよね!?

トヨタホームの第1種換気(ピュア24セントラル)は、1フロア10万円程度の設備が設置されるので2階建てだと20万円も費用がかかります。それなりに高価な設備なので、やっぱり中身を知って自分に合った設備を選べると後悔の少ない家づくりができると思いますので、あまり興味が湧かない地味な設備ですが概要くらいは知って頂ければと思います。

ちなみに、僕が何も知らないままに20万円もの設備を導入したのには、いちよう理由がありまして、僕がお家を検討していた時に『エア割』というキャンペーンが実施されていて、スマートエアーズ(トヨタホーム全館空調)、ピュア24セントラル(第1種換気設備)、天井ナノイー発生器の3つを導入すると50万円割引になるとの内容でした。

なので我が家の場合、第1種換気設備が欲しくて設置したというより、50万円の割引が欲しくて設置したという感じになります。動機は少し不純ですが、いちよう6年間使ってきての感想や後悔ポイントなどは参考にして頂けると思いますので紹介させて頂きます。

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換気システムが必要な理由

そもそも何で換気システムが必要か、その理由は『建築基準法で設置が義務付けられている』からです。

2003年にシックハウス対策に関わる改正建築基準法が施行され、その中で原則として、機械換気設備の設置が義務付けられました。

換気システムのことをインターネットで調べると、「昔の家は隙間があって家の中の空気が自然に換気できていたが、現代では気密性の高い家が増えたことで自然には換気されず汚れた空気が家の中にとどまってしまうので機械的な強制換気が必要」というような文言を見かけますが、これはちょっとフェイクじゃないかと個人的には思います。この文言を見たとき、読み手は「昔の家」に、自分が子供の頃に住んでいた家を想像すると思いますが、書き手は恐らく江戸時代の長屋とかを指して「昔の家」と言っていると思います。確かに昭和のお家は隙間風があったと思いますが、それは台風とか風の強い日の話で、風の無い穏やかな日でも締め切った状態で自然に換気ができていたとは思えません。自分が子供の頃に住んでいた家でも、ちゃんと換気ができていない場合があったかもしれないけど、それでも窓開けなどの換気だけで健康被害なく暮らせていたと思われると、高性能な換気設備の必要性が薄れ、施主側の購買意欲が下がってしまうので、これを避ける為に換気設備メーカが考えた宣伝文句ではないかと思っています。

改正建築基準法は「シックハウス対策」と言うことで、主な改正内容は建材から発散するホルムアルデヒドの制限であり、換気設備の義務付けはそれに付帯した改正になっていましたが、今の住宅に使用される建材はホルムアルデヒドの発散がかなり抑えられているので、建築基準法が改正された当時の目的からすると換気システムの必要性は、そこまで感じられなくなっていると思います。但し住宅に使用される建材から発散するホルムアルデヒドが0であったとしても、家具からの発散がある為、原則として全ての建物で換気設備を義務付けるとしているので、今も換気設備の設置は必ず必要になっています。ちなみにトヨタホームは『健康な環境』という売り文句で、ホルムアルデヒド発散が最も少ないF☆☆☆☆等級の建材を使用しているとなっています。

ここまでの解説だと換気システムって意味ないの?と思われるかもしれませんが、最近だとコロナの影響で換気の重要性が見直されてきているので、恐らく換気設備メーカやハウスメーカの売り文句も変わってきているのではないかと思います。また住宅の気密性が高まってきていることは事実で、気密性の高いお家だと家の中で発生した湿気が逃げにくく、建材を痛めてしまうことがありますが、換気シシテムにより家の中の湿気を逃がしてあげることで、家を長持ちさせるという効果もあるようです。

というような感じで、インターネットで調べて頂くと色々必要性を訴える情報は出てきますが、定性的な情報が多く、定量的なデータが少ないので、いまいち必要性が分かりにくい換気システムですが、法律で決まっているので必ず設置が必要になります。

ちなみに以前、トヨタホームの24時間換気システムがどれくらい換気できているのか、部屋のCO2濃度を調べてみた記事を書きましたが、窓を開けての換気には到底及ばないとの結果でした。体感としても窓を開けて換気すると新鮮な空気を感じらますが、24時間換気シシテムを導入しても窓を開けての換気みたいな気持ち良さを感じられるモノではないと思ってもらった方が良いと思います。

換気システムの種類

続いて換気システムの種類について紹介していきます。

機械で強制的に換気する換気システムには、設置する換気扇の種類によって3種類の換気方法があります。実際は第4種換気もあるのですが、一般的なハウスメーカで採用されるケースは無いので説明は割愛させて頂きます。また第2種換気も一般的な住宅で使用されることは無いのですが、第1種,第3種と比較の為に紹介しておきます。

また実物をイメージしやすいようにトヨタホームで採用する場合のシステムに似せた図も作ってみました。

第1種換気

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特徴
給気:換気扇などの機械換気
排気:換気扇などの機械換気
給排気ともに機械式で換気することで建物内の空気を循環させて換気する方法

メリット・デメリット

・窓の開閉の影響を受けにくく、気密性が低い家でも安定した換気が可能
・熱交換器を使用することで、外気を室内の温度に近づけて吸気することができ省エネ
・吸気口に高集塵フィルタを組み込むことで花粉やPM2.5などを除去して給気が可能
・給排気ともに機械換気設備を用いることと、ダクトを備えた設備の為、導入コストがかかる
・給気口のフィルタに汚れがたまりやすく、定期的に掃除が必要

・ダクト部分の掃除やメンテナンスが難しく長期的に使用する上で不安がある

第2種換気

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特徴
給気:換気扇などの機械換気
排気:自然排気
機械式の換気扇で給気を行い建物内の気圧を高め自然排気口から排気する方法。建物内が正圧になり扉を開けたときに花粉やホコリを含んだ外気が入り込みにくい為、半導体を製造するクリーンルームなどで採用される換気方式

メリット・デメリット

・建物内が正圧になる為、扉や窓を開けた際に、花粉やホコリなどを含んだ空気が入りにくい
・空気の流れを上から下の一定方向とすることで、ホコリなどの舞い上がりを防止できる

・給気口に高集塵フィルタを組み込むことで花粉やPM2.5などを除去して吸気が可能
・一般住宅で使用した場合、家の中の湿気が壁の中に入り込む可能性がある

第3種換気

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特徴
給気:自然給気
排気:換気扇などの機械換気
機械式の換気扇で排気を行い建物内の気圧を負圧にし自然給気口から給気する方法。一般的にはトイレや浴室の換気扇を使って排気し、居室に設けた給気口から外気を取り入れるケースが多い

メリット・デメリット

・機械式の換気が排気のみでトイレや浴室の換気扇を兼ねることでコストが抑えられる
・換気扇,給気口ともに簡単な設備の為、長期的なメンテナンス性に優れる
・空気の流れを考えて給排気の位置を設計しないと換気できていない空間ができる可能性がある
・窓を開けると各居室の換気が設計通りできなくなる
・給気口から取り入れる空気の温度は外気と同じ為、冷暖房を使用する時期は熱ロスになる

トヨタホームの換気システム紹介

次にトヨタホームで選べる換気システムについて紹介していきます。

どこのハウスメーカでも先ほど紹介した第1種換気と第3種換気の設備が準備されている場合が多く、トヨタホームも『ピュア24』という第3種換気システムと『ピュア24セントラル』という第1種換気システムから選択することができます。

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冒頭で紹介したように、我が家はピュア24セントラル(第1種換気)を採用していて、その使い勝手やメリット・デメリット、メンテナンス方法などを別の記事で詳しく解説しているので、詳細はリンク先の記事を確認してみて下さい。

「換気システムが必要な理由」の項目で記載したように、いまいち必要性と効果が分かりにくい換気システムですが、とは言ってもある程度お家の換気をこのシステムに期待したいという方は、第1種換気シシテムをおすすめします。ダクトで各部屋に空気が強制的に送られる第1種換気は、間取りや建物の気密性の影響を受けにくく一定の換気量が確保できるので、木造住宅と比較して気密性を高めることが難しいと言われている鉄骨造のトヨタホームでは、第1種換気の方が良いと思います。

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続いて上の図は、ピュア24(トヨタホーム第3種換気システム)の構成になります。

トヨタホームの第3種換気は基本的に浴室やトイレの換気扇を24時間稼働し、各居室に設けた給気口から外気を取り込む仕組みになっています。建物の床面積が広いなど換気量が不足する場合は、個別の換気扇を追加したり天井裏への廃熱換気扇を設置したりするようです。各居室の給気口から取り込んだ空気は扉の下の隙間や廊下を通って換気扇まで流れることで建物内の空気を換気するようになっていますが、こんなシステムで全ての部屋をまんべんなく換気するのは、相当考えて設計しないと不可能ですよね。居室が1つであれば簡単でしょうけど、寝室や子供部屋と部屋が分かれている状態で、どれか1つの部屋の扉が開いていれば、その部屋だけ空気抵抗が小さくなり、扉が開いている部屋ばかり換気して、扉が閉まっている部屋の換気量は不足することが容易に考えられますし、エアコンを使っている部屋とそうでない部屋で温度差ができると設計通り空気が流れないことも考えられます。さらに2階建てになれば階段ホールなど吹き抜け空間の空気の流れは夏と冬で変わりますが、そこまで考慮して、いつでもどんな状態でも確実に換気するのは相当難しいと思います。

えっ!?じゃあ第3種換気システムじゃダメなのか?って思うかもしれませんが、第3種換気でも建築基準法上は特に問題ありません。建築基準で義務付けているのは一定(0.5回/h)の換気量を持つ設備を設置することであって、建物内の換気が確実におこなわれることは求めていないので、換気扇さえ付いていればそれでOKなのです。

と言うことで、従来通り窓を開けて換気する予定なので換気システムには特に期待しないという人は、導入コストが安く、メンテナンス性も容易な第3種換気がおすすめです。

ちなみにトヨタホームでスマートエアーズ(全館空調)を採用する場合は、基本的にピュア24セントラル(第1種換気)も合わせて採用する必要があります。全館空調を使っていると窓を開ける機会が少ないこともありますが、全館空調の空気の流れが強いので、第3種換気ではまともに換気ができなくなってしまうことが1番の要因だと思います。

まとめ

今回は換気システムがどんなモノなのかとトヨタホームで採用できる換気システムについて紹介してきました。

建物内の空気がちゃんと換気できているかは、なかなか目に見えないものなので、それを利用して健康被害など不安をあおるような宣伝文句を見かけることもありますが、そこまで気にしすぎる必要はないかと個人的には思います。

また少なくともトヨタホームのピュア24セントラル(第1種換気)は、窓を開けての換気ほど新鮮な空気が入ってきているように感じられないので、あまり期待しすぎるのも良くないと思います。但し花粉症などで窓を開けて換気するのが辛い人などは、PM2.5もキャッチする高集塵フィルタが設置できる第1種換気を選ぶのはありだと思うので、自分のライフスタイルにあった最適な選択ができるよう色々考えて後悔のない選択をしてください。

今回の記事以外にも、我が家が採用したピュア24セントラルを詳しく解説している記事や換気システムで実際どれくらい換気ができているのか室内のCO2濃度を測定してみた記事などもあるので、よかったらリンク先の記事も読んでみて下さい。

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