スマートエアーズの暖房は寒い!?|設定温度が電気代に影響するか試してみた

smart-airs-heatingスマートエアーズ
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以前、トヨタホームは断熱性能が弱いかもって記事を書きましたが、今回はそんなトヨタホームのお家がスマートエアーズ(トヨタホーム全館空調)の暖房だけで冬寒くないか!?について紹介したいと思います。またエアコンは設定温度によって電気代が変わると言われていますが、スマートエアーズも設定温度が電気代に影響するか試してみたので紹介したいと思います。

僕は今のお家に住むまで、社宅や寮,アパート,実家と色々なところで生活してきましたが、エアコンの暖房機能はイマイチ暖かくないイメージを持っていました。実家と社宅に住んでいた時は、エアコンと石油ファンヒーターを併用していましたが、エアコンの暖房だとスースー寒く感じるのに対して、石油ファンヒーターはスグに部屋中ポカポカに暖まるのでエアコンの暖房機能はあまり使っていませんでした。

スマートエアーズは全館空調と言っても原理はエアコンと同じで、容量の大きなエアコンで全ての部屋をまとめて冷暖房しているだけです。と言うことは冬はエアコンで暖房しているのと同じなので寒く感じてしまうのでは?と心配になり保険としてリビングにガスファンヒーター用のガスコンセントを設置しました。トヨタホームの場合、ガスコンセントの設置費用は18,500円と割と安いのでオール電化でなければ1箇所くらい設置しておいて損はないと思います。

結果的に我が家はガスファンヒーターを使うことになったのか?これからトヨタホームでお家を建てられる方でスマートエアーズを導入しようか悩まれている方に参考にして頂ければと思います。

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スマートエアーズは寒い!?

以前、冬のトヨタホームって寒くない!?という記事で、12月前半に無暖房のトヨタホーム室内温度環境を紹介しました。その記事で寒いけど、これくらいだったら我慢できると書いたのですが、12月も後半になってきて、さすがに最高気温が1桁だと寒さに我慢できずスマートエアーズ(全館空調)を稼働させ始めました。

それでは早速、スマートエアーズ(全館空調)の暖房が寒いか,寒くないかを発表します。僕の主観では「寒くはないですが、暖かいとは言いがたい」と言った感じです。

何でスマートエアーズの暖房が暖かく感じられないか、理由はいくつか考えられます。
まず1つ目は、設定温度に到達するまでの時間が遅いことが原因と考えています。

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上のグラフは、5:30まで設定温度18℃、5:30以降に設定温度22℃にして運転しているときの室内の温度変化です。5:30以降室内の温度は上昇し始めていますが、設定温度の22℃に到達したのは12:30と7時間もかかっています。これでは午前中に寒さを感じてもおかしくないと思います。

エアコンはヒートポンプとよばれる技術を使って、室外機で空気中の熱を集め室内機から熱を放出しています。エネルギー効率が良く省エネである反面、外気の温度が低いと空気中の熱を集められなくなり暖房能力が低下する欠点があります。測温した日は、夜間の外気温が約1℃、昼間も日照がなく最高気温が約8℃と寒かったのですが、それにしも部屋の温度が上がるのが遅すぎる気がします。根本的にエアコンとしての能力が不足しているのか、急激に温度を上げると消費電力が増加するので、それを避けるために、このような運転仕様になっているのかは、分かりませんがとにかく外気温が低いと室内温度が設定温度に到達するのに時間がかかります。同じヒートポンプ式でもコンプレッサーを回す動力にガスエンジンを使用するガスエアコンは暖房時にガスエンジンの廃熱を利用して冷媒を加熱するので外気温が低くてもエアコンの暖房能力が落ちにくく、大型施設のエアコンなどに使用されているのでスマートエアーズもガスエンジンを取り入れて暖房能力を向上させれば良いのにと思います。

2つ目の理由はスマートエアーズに限った話では無いですが、エアコンで暖房すると室内が乾燥します。そして湿度が低いと空気の温度が同じでも体感温度を低く感じる為、エアコンの暖房だと寒く感じてしまいます。

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これはダイキンのホームページから引用させて頂いた資料ですが、同じ温度でも湿度が高い方が人の表面温度が高くなっています。

ちなみに何でエアコンで暖房すると湿度が下がるかというと、エアコンで暖房しても空気中の水蒸気量が減るわけではないのですが、室内の温度が上がると飽和水蒸気量が増えるので、相対的に湿度が下がります。石油ファンヒーターやガスファンヒーターの場合、燃料を燃やした際に燃料の中に含まれる水分が蒸発する為、空気中の水蒸気量が増えて室内の温度が上がっても湿度が低下しなかったり、上昇することもあります。

3つ目の理由もエアコン全般に言えることですが、吹出口から出てくる空気の温度が低いので空気が流れると寒く感じます。石油ファンヒーターやガスファンヒーターは吹出口の温度が100℃を越えていて1m先でも30℃~50℃もあるのに対して、エアコンの場合、吹出口温度が高温であることを売りにしているエアコンでも50℃くらいになります。スマートエアーズは本体の熱交換器から各部屋にダクトで空気が送られる為、吹出口の温度はかなり低くなっていると思われます。

室内の温度は20℃で十分快適なのですが、空気が流れていると20℃でも寒く感じてしまいます。スマートエアーズの場合、家の中どこにいても、それなりに空気の流れを感じるので、これも寒く感じてしまう要因だと思います。

スマートエアーズで暖房するメリット

ここまでスマートエアーズ(全館空調)の暖房に対してネガティブな内容ばかり書きましたが、実は良いこともあります。それは家の中どこでも寒くないことです。

暖かいかと言われると微妙なのですが、寒いわけではなく、それが家の中どの場所でも寒くないというのが最大のメリットだと思います。特に洗面室や浴室、トイレなどは、普段生活しているリビングやダイニングと比べて温度が低くなるのが一般的ですが、スマートエアーズのおかげて、家中どの部屋でもほとんど同じ温度になっています。

もちろん住んでいて快適というのもありますが、他にも間取りの自由度があがるというメリットもあります。例えば洗面室と浴室はできれば暖かくしたいと思いますよね?そぉ考えると普段暖かいLDKと隣接させて、冷たい空気が入ってくる玄関とは離した方が良いと思います。でも家に帰ってきたらまず手を洗いたいと思うと洗面所は玄関と直結している方が良い気もします。この2つを両立させる為には、洗面室とは別に玄関近くに手洗場を設けることになってしまいます。まぁそれもありだと思いますが、スマートエアーズ(全館空調)を導入していれば、玄関から直結の洗面所,浴室でも何の問題もなく、間取りによる寒いとか暖かいを考えずに自由に好きな間取りを設計することができます。

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スマートエアーズを導入しているモデルルームだと、玄関から廊下、リビング、ダイニングと壁や扉がなく、おしゃれな格子で目隠しをしている程度で開放的な空間が作れるよってアピールしてたりします。

設定温度と電気代

寒いと感じたら設定温度を上げれば大概は解決します。20℃の風だと少し寒く感じるかもしれませんが、25℃の風だったら寒く感じることはないと思います。ただ設定温度を上げると気になるのは電気代です。経済産業省 資源エネルギー庁のホームページには「冬の暖房の室温は20℃を目安に。」や「外気温度6℃の時、エアコン(2.2kW)の暖房設定温度を21℃から20℃にした場合(使用時間:9時間/日)の年間で約1,430円節約に」と記載されています。

以前、トヨタホームは断熱性能が少し弱いかもって記事を書きましたが、断熱性能が多少低くても強力に暖房すれば室内は暖かくなります。ただ、そのかわり電気代はかかってしまいます。

じゃあ実際、トヨタホームのスマートエアーズ(全館空調)で設定温度を変えると、どの程度電気代に影響するのか気になり試しに調べてみたので参考に紹介させて頂きます。

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このグラフは、スマートエアーズ(全館空調)を9:00~18:00の時間、20℃に設定した場合の室内温度と1時間毎の電気使用量になります。

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このグラフは、同じ条件で22℃に設定した場合の室内温度と1時間毎の電気使用量です。外気温は約1℃こちらの方が高いですが日照時間も同じで、ほぼ同じ条件になります。

測定したのは平日で、昼間は僕が1人で在宅勤務しているだけなので、スマートエアーズ以外の電気使用量は同程度と考えられる9:00~17:00の時間帯で電気使用量を比較してみます。

20℃設定,9-17時の電気使用量が13.7kWh、22℃設定,9-17時の電気使用量が16.4kWhとなり22℃設定の方が2.7kWh消費電力が大きい結果となりました。

2.7kWhと言われてもピンとこないですが、我が家の電気契約プランで金額にすると56.92円になります。1ヶ月に20日間在宅勤務をすると仮定すると月の電気代が1,138.4円値上がりすることになります。この金額を高いと感じるか安いと感じるかは人それぞれですが、僕は20℃設定に比べて22℃設定の場合、寒さを感じることがなく、かなり快適だったので、この快適さを1日コーヒー1杯分以下の金額で作れるなら安いと思っています。

ガスファンヒーターと相性抜群

最初の方で紹介したようにスマートエアーズは設定温度をキープするのは特に問題ないのですが、低い温度から温度を上げることが苦手?と言うかスゴく時間がかかります。

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このグラフは朝5:30からスマートエアーズの設定温度を22℃にしてスマートエアーズだけで暖房した場合のリビングの温度変化です。5:30から温度が上昇し始めて設定温度に到達したのは10:30頃と5時間もかかっています。

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このグラフは同じように朝5:30からスマートエアーズの設定温度を22℃にしていますが、スマートエアーズの暖房と合わせて6:00からガスファンヒーターを併用した場合の室内の温度変化になります。6:00からガスファンヒーターを稼働して7:30には設定温度に到達しておりスマートエアーズだけの暖房に比べ圧倒的に部屋が暖まるのが早いことが分かります。ガスファンヒーターの暖房能力はスマートエアーズと比べものにならないほど強力で体感としてもスグに部屋の中がポカポカになります。

温度をキープすることが得意なスマートエアーズと短い時間で室温を上昇させることができるガスファンヒーターの組み合わせは相性抜群だと思います。朝、温度が下がっている部屋の空気をガスファンヒーターで一気に暖めて、暖まった空気をスマートエアーズで全部屋に循環してキープすることで効率よく暖房することができます。エアコンは温度を上昇させるときに特に消費電力が増えるので、その消費電力が増える期間をガスファンヒーターで補うことで光熱費の面でもメリットがあるのではと考えています。

ただ1点気になるのはガスファンヒーターを使うことで室内の空気が汚れること。ガスファンヒーターは燃料を燃やして暖房しているので室内のCO2濃度が上昇します。さらにしっかり換気せずに室内のCO2濃度が上昇するとガスが完全燃焼できずに一酸化炭素が発生する危険性もあります。

「最近の家は気密性が高いので石油ファンヒーターなど燃焼系の暖房を使わない方が良い」と書かれているブログなどもよく見かけます。

ただ僕は、この言葉に少し違和感を感じています。この言葉には行間があって全て文字にすると「昔の家は隙間があったので石油ファンヒーターを使っていても隙間風で自然に換気されたが、最近の家は気密性が高いので隙間が無く自然には換気されず石油ファンヒーターを使うことは危険だ」といったようなニュアンスになると思います。昔の家っていつのことを言っているのでしょうか?僕の実家は築20年ですが肌で感じるような隙間風はありません。今の家に比べると気密性は劣ると思いますが、最近の家の24時間換気よりも20年前の家の隙間風の方が換気量が多いとは到底思えません。しかも隙間風は家の外に風が吹いている場合や温度差が大きい場合に発生するのもで、そんな不規則なものに頼って昔の家が石油ファンヒーターを安全に使えていたとも思えません。

今の家が気密性が高いから石油ファンヒーターを使えなくなった分けではなく、今の家も昔の家もちゃんと換気しないと石油ファンヒーターが危険なことには変わらないのだと思います。説明書にも最近の家では使わないで下さいなんて書いてないです。「1時間に1,2回窓を開けて換気して下さい」と昔から変わらない注意書きが書いてあります。なので説明書に従って換気していれば危険なことは無いと考えています。

まとめ

今回はスマートエアーズ(トヨタホーム全館空調)の暖房が寒くないのか紹介してきました。

スマートエアーズの暖房のみでも室内の温度を一定に保つことができ寒いことは無いです。また家中どの場所でも同じ温度で寒い場所ができないのでとても快適です。ただスマートエアーズの暖房は急に温度を上げることが苦手なのでガスファンヒーターを併用することで更に快適に生活できると思います。石油ファンヒーターでも暖房能力は変わらないですが、ガスファンヒーターは灯油を入れる面倒がないので断然使い勝手が良くオール電化でなければガスコンセントを設置しておくことをおすすめします。

でも、やっぱりガスファンヒーターは室内の空気の汚れが気になるので次回はガスファンヒーターを使用したときに室内のCO2濃度が、どのくらい上昇するのか調べてみた内容を紹介したいと思います。

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